2008年06月15日

ショート・ピープル/ランディ・ニューマン 1977/12/10

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ショート・ピープル
ランディ・ニューマン
1977/12/10


1977年の12月2週10日付の全米TOP40に入って来た6曲のウルトラ新曲。
その中に奇しくも二人のユダヤの人の正反対な歌が。

その一つは昨日讃えさせていただきましたビリー・ジョエル兄さんの「素顔のままで」、
はい、後日談は別として美しい歌でした。

そしてもう一方、6週であっとゆうまにTOP100を通過して34位でニューエントリーは

ショート・ピープル
ランディ・ニューマンおじさん。


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初の自身でのシングル・ヒットです。だいたいシングルってえのを出したのはこれが初めてじゃないかって方ですから。
それが、以後29-20-*,17-15-5-2-2-2-8-14-19位、最高位2位2週のウルトラヒット。連対率100%だ。

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何故そんなにウけたんでしょう。

お尻いやお知りの方もご存知で無い方もまずは虚心坦懐に、ユ・チューブにございます動画で御試聴下さい。

Randy Newman - Short People
http://jp.youtube.com/watch?v=c6NVYdAXe00


歌の内容はこんなんでございます。

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チビには理由なんか無い
チビには理由なんか無い
チビには理由なんか無い
生きるのに

あいつら小さい手でやがる
そしてちっちゃい目
そしてあいつらはそこらじゅうを歩き回って
すげえでっかいホラを吹く
あいつらちっちゃい鼻だ
そしてちいちゃいちっちゃい歯
あいつらはシークレットシューズを履いている
やつらの汚いちいちゃい足に
そう俺様は
チビなんか要らない
チビなんか要らない
チビなんか要らない
俺の近くには


チビは正に同じなんだよ 君と僕みたいに
(阿呆だ、例えば俺)
すべての人間は兄弟なんです
(それが素晴らしき世界)

チビには誰もいない
チビには誰もいない
チビには誰もいない
愛する人が

あいつらちっちゃな赤ん坊みたいな足
それで、こじんまり立ってやがる
あんたは探してあいつらを拾わなきゃいかん
こんちわってただ言うために
あいつらちっちゃい車を持ってる
それでクラクションをビービビー鳴らすんだ
あいつらの声はほんとちっちゃい
それでピーピーピー話す
そして汚いちっちゃい心
あいつらは始終あんたにへばりつく
そう俺様は
チビなんか要らない
チビなんか要らない
チビなんか要らない
俺の近くには

ぱっぱー

ぎゃ ぎゃ



はい、ムカつきましたか?
そうです。この歌は明確に人をムカつかせるために作られました。
それもよりによってクリスマス・シーズンにリリースされて。
それもよりによって、あのニューヨーク、ニューヨークのリフを拝借して。
フランク・シナトラさんは絶対歌いません。
あらゆる音が絶妙にハマってまして、それもムカつきます。
コンガのアホけた、ぽこぺんぺんの音も。名手ミルト・ホランド氏が叩いてます。
ギターの、ぎゃ、げご、ぎゃ、ぐがって間たっぷりの音も。名手ワディ・ワクテル氏が弾いてます。
ぶわ、ぶわってベースはあのクラウス・ボアマンさん。
トリルがイライラさせる馬鹿うまなドラムスは、名人ジム・ケルトナー氏。
コーダでコーラスに参加は、
グレン・フライ&ジョン・デヴィッド・サウザー&ティモシー・シュミットの西海岸ウルトラ三人衆。
みんな共犯です。
この差別の歌の。
全米各地で放送禁止の憂き目に会いました。
英国ではまるでヒットしません。
日本ではそもそも誰かほとんど知られてませんのでまるでヒットしません。
それでも
アメリカではウけまして最高位2位。

ウけた理由には二通り有り、
マジでチビが嫌いな人々が買う
とにかく面白がって買う
自己嫌悪でマゾになって買う
ほんま馬鹿馬鹿しいよなあって買う


ニューマンおじさんは、小説歌を書く人です。
こうゆう風に思ってる人じゃ無いよ。
こうゆう風に本気で思ってる人の、言ってる様を歌にしました。

およそ差別の種は世に尽きまじ。
人種でしょ、宗教でしょ、出自でしょ、やれ目が小さい、口がでかい、頭髪が濃い、薄い、
ノッポ、チビ、鼻が低い高い、職業、貧乏、金持・・・もう全部。
差別していじめようとするならどんな理由だって作れる。
夢のサクセスを尊敬する国、アメリカだからこそ、逆の差別は溢れかえりもうぱんぱんに。

背の低い人を全部馬鹿にするなんて有り得ない。
それは当たり前のことで。
その人として当たり前のことが通じないって現実がマジムカつく。
本気で馬鹿にして喜んでこのシングルを買ってる人がいるであろうことを込みにして。

恐ろしい歌を書く人です。
後半、少しづつスピードアップして吐き捨てるように歌う様がヒートアップ、
嫌悪が嫌悪を生んでまた新しい嫌悪を生む。

聴いてムカつくは当たり前です。
しかし
放送禁止、もしくは嫌いに嫌って封印するは、もってのほか。
こんな歌唄って何を言いたいのか、考えなければ。
表面の字ずらだけで、判断してると・・・・・

馬券は当らないよ。
なんちゃって。

本当のことはいつも痛い。
やってくれとも言われないのにこんな歌を書くランディおじさん、心から尊敬してます。

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(山)2008.6.15

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Little Criminals

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ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

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Short People -- Randy Newman himself
http://jp.youtube.com/watch?v=8QV_bq3Rz9w

Sailor Moon AMV - Short People
http://jp.youtube.com/watch?v=_uDc6TBW90Q

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ろっくすニューマン氏のページ

資料

資料(英版)

English Here

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この記事へのコメント
この歌、確か日本人批判じゃなかったでしたっけ?どこかでそういう話を聞いた記憶があります。

Mr.Robotも日本人批判の歌でしたが(日本企業?)、影でこそこそやられるよりは正面で直線的にやられたほうが、聞いている側としては潔さを感じますね。
Posted by へヴィ at 2008年06月16日 22:17
いやそうゆうことではないと思われますが・・・・。

もしランディ氏が日本人やっちゃうとしたら、
具体的に地名は出るは、メガネやら何やらはっきりわかるようにやっちゃうと。

アルバムに1曲、アップテンポのが欲しかったので、残酷御伽噺なこれを作ったとか。
それでこんなにウケて逆にとまどったみたいです。
Posted by 山 at 2008年06月16日 23:47
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