2008年07月02日
リレイヤー/イエス 1974/12/13
リレイヤー
イエス
1974/12/13
荒涼とした岩肌の岩橋を下るは3頭の白馬。
跨る弓背負う戦士二人。
その先に待ち受けるは・・・
とぐろ巻く大蛇二匹。
危ない!早く気がつかんと巻かれるぞー。
リレイヤー
イエス
1974年度作。RELAYER。そのような語は辞書に見当たらず。
”引き継ぐもの”とゆう意味でしょうか?
もともと”こわれもの”で”危機”に直面し、海深くとことん潜っちゃったもんだから、鉄壁の布陣からエースがいなくなっちゃった。
1867人の妻を持つ男、リック・ウエイクマンさん。
プログレにおいて鍵盤担当は欠くべからざる柱ですから、リレイヤー探すの大変です。
最初はヴァンゲリス氏になりかけたとのこと。
それが組合の許可降りなかったってんで、白羽の矢が頭にぶち刺さっちゃったのが、
スイスでブラジルな若き戦士、パトリック・モラーツちゃん。
この最大の危機に共に果敢に挑む。
例によってアルバム一枚分の巨大シングルに相応しき題材は、「戦争と平和」です。
見開きジャケ内部に刻まれてる叙事詩有り。
作者は・・・読めん。ドナルド・レムクル?さん。
大蛇有り 花崗岩上にとぐろ巻く
騎手は乗る 西方に向かい
月は惑星上に昇り
最大の悪が在る所、残られしものども苦難に遭遇す
梨は熟し、桃が落ちる
太陽は東方に在り
女は泣き叫び、男は呼んでいる
内なる神に向かって そして獣に向かって
愛は恋人たちの為に待ちうけ
世代は平和に跪く
男どもが敗北したもの 再び取り戻すであろう
頭脳は磨かれ 彼の骨は解放される
真実は自らを隠す 過ちをもって
歴史はその顔面を露にす
悦楽と恐怖の日々
未来を招き そして競い争いを招くのだ
だー。
渦巻く音の嵐。きらめくハウ氏のテレキャス。ハーモニクスにヴァイオリン奏法。快感のトリル。
ネックの端から端まで。
何故か中華なメロディに聞こえ、それは東方の太陽か。
白馬の騎士、アンダーソン兄さんは抱えた白ギターをかき鳴らし唄います。
それをしっかり支える百年の鞍のごときスクワイア氏のごりごりベース。優しい打撃白ホワイト氏のドラム。
新しき戦士モラーツ君は、臆する事無くポルタメント危機まくりの鍵盤を押さえ。
それが冒頭、
”錯乱の扉”
60分3本勝負の一本目。始めればもう引き返すこと不能。到達地点に至る為、全員一致団結で突き進む。
持つ必殺武器は聴かば瞭然、東方メロのテーマ。
手四つから、ラフな展開に至り、両者ぼこぼこの殴り合い。胸は既に真っ赤っかです。
その皮膚が破れる寸前、ついに出ました目的の第一地点、
初日の出。
ああ、陽が昇った。
再び沈黙訪れ、グラウンドでの寝技の欧州に。
一本目はお互い力の限り絞め合い、両者失神で大の字で横たわりました。
しばしのインターバルののち、
おもむろに始まる二本目。リズム隊の奇襲から始まり、花束は砕け散り、花びらは喰われる。
どこにそんな力が残っていたか、今度はスープレックス、ボディスラム、ショルダースルーと大地に叩き付け合う投げ合いに。
腰は痛いわ、背中は真っ赤っか。
限り無く続くかと思われたその様相は、一瞬の奇襲、まさかのアンダーソン王子の
”ちゃっちゃっちゃ、ちゃっちゃっちゃ”
の毒唾攻撃によりクライマックスを迎え、吐いた方も吐かれた方もその毒で悶絶。
二本目、引き分けで終了。
それでは試合を終わらす訳にはまいりません。三本目にして決着を求めねば。
終焉に向かって
試合冒頭の中華味(人工遺伝子組み換えではあい)に戻り、静かなる睨み合い。
最早そこに小技など無く、肉体そのものをぶつけ合う大展開に。
天界へ向かって。
さすればこの凌ぎ合い、その結末は・・・いかに?
御自身の目の耳でしかと見届けて下さい。
(山)2008.7.2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
リレイヤー
リレイヤー
Relayer
ろっくす特製でかいジャケットのページ也。
yes - gates of delirium pt. 1 improved
http://jp.youtube.com/watch?v=EP4F4t6DlSg
Yes - Sound Chaser
http://jp.youtube.com/watch?v=F_Japha6i_4
yes - To Be Over
http://jp.youtube.com/watch?v=DMNCwo0QGDE
Yes - Gates Of Delirium/Soon (Part 1 of 3)
http://jp.youtube.com/watch?v=Itm0S6nTxg4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ろっくすイエスのページ
資料
英語資料
English Here
.
この記事へのトラックバック
普通これがイエスの場合「こわれもの」や「危機」はあの頃の青少年は普通に耳にするもので、そのサウンドの透明さなどに感激するのですが、そこから一歩踏み出そうとする際に一つの大きな壁になる作品がこれでしょう。
もちろん「海洋地形学」にいきなり踏み込んでしまえば、もうあとはご想像にお任せというわけで(笑)。
で、私の場合はリレイヤーの前に「究極」と「サードアルバム」に行っちゃってましたから、難なく入れました。(当然その流れで海洋地形学にも行くわけですが)
アルバムの出来からするとそりゃもう名作です。プログレ大好きな人にはたまりません。片面で1曲なんてのに慣れちゃいましたから(笑)。
残念なのが再結成後のライブでほとんど演奏してないんですよねぇ。音源として残ってるのは一つのツアーぐらいだったかな?
特にヨーロッパなんて「マニアだらけ観客」ですから、そろそろ演奏してみても良いのですけどね。
覚えるのが大変だったんじゃないでしょうか?
あ、ちがうか。
思い出すのが大変だったのかと。
モラーツ氏、あっとゆうまに抜けて、Iしちゃったから。
時間が経って
やるとなると、ほんま大変だと思います。
違ったら、お客の方が詳しく覚えていて、
そこちゃいまんねんって、突っ込まれそうです。