2008年09月14日

目覚めよ、皆さん/ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ 1975/12/20

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目覚めよ、皆さん
ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ
1975/12/20


どっこいフィラデルフィア・ソウルは生きていた。
この21世紀の今。

どこで?

宴もたけなわプリンスホテル、米大統領選挙キャンペーン真っ盛りです。
民主党の代表候補に選ばれたのがオバマ氏。
その応援演説集会で叫ばれたのが

”ウェイク・アップ・アメリカ!”

そこからこの歌がキャンペーン・ソングになってる模様です。非公式のようですけど。

目覚めよ、皆さん〜Wake Up Everybody
ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ


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フィリーの内山田洋とクール・ファイブと呼ばれておりますグループ。
1975年オリジナル・メンバーによる最後のヒットとしての強烈な忘れ形見、
12月20日にTOP40に40位で初登場、以後、36-27-25-23-22-20-16-15-14-12-12位。
英国では翌76年3月6日に30位で初登場、以後26-23-29-23位。最高位23位。

華麗で、まあ言ってみればスタイリスティックスを頭に軟弱と世にとらわれておりますフィリー、
って、昔俺が思ってたんすけどさ。裏の顔が有ります。いやこっちが表かもしれない。
オージェイズを頭とする硬派な面。
ポップな方の最右翼は、スリー・ディグリースそして先のスタリスティックス。
別な意味でPOPな頭なのが昨日感謝させてもろたスピナーズ。世の嘆きも歌う。
このブルーノーツは、男前のリード歌手、テディ・ペンターグラス兄さんを擁しますから、
愛の歌めろめろはもちろん、世の中これでいいのかソングもやる。
バラードでも、アップテンポのフィリー・ダンサーと呼ばれる歌でも。
その両者を兼ね揃え思いの丈を唄ったのがこの歌です。
作はマクファーデン&ホワイトヘッド&ヴィクター・キャスタファン。
製作はケニー・ギャンブル&リオン・ハフ両氏。

このような歌をフィリー軍団が歌うのには理由が有ります。
アメリカで最古の都市の一つ、フィラデルフィア。それだけにその根源にある矛盾が否応無く溢れているらしい。
富者と貧者。黒と白の人種問題と完全にシンクロしてる。
それが政治なうさんくさいことを唄う以前に、それどころじゃない、言わねばなるものかの気持ちが。
目の前で一切れのパンをも得られぬ惨状を見て、音楽がお気楽にしてられる訳が無い。
心からの叫びを静かに熱く・・・



起きてくれ、みんな
もうベッドで眠ってはいられない
もうこっそり思ってる訳にはいかない
未来に向かって考える時
世界は、とてつもなく変わってしまった
そうであるべき姿から
憎悪と貧困が溢れかえっている

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目覚めてくれ すべての先生たち
新たな方法で教えるべき時
たぶんその時、彼らは自分たちで言わねばならぬことを聞くでしょう
何故なら彼らは来るべき未来の内にある一人
そして世界は彼らの手の中にある
あなた方が子供たちに教える時、心底一生懸命教えて下さい

世界は少しでもマシになることはありません
もし僕らがただほっておくままなら
世界は少しでもマシになることはありません
僕らは変えねばならない、イエイ、
そう君と僕で

目覚めてください すべてのお医者さん
みんなを良くさせて
彼らは痛めつけられてる人たちです
そして地獄のすべてを見ている
その審判の日まで待つ時間をそう長く待っていられないのです
だから彼らが打ちひしがれて死んでしまう前に彼らを幸せにしてくれませんか

目覚めて すべての建築にたずさわる人たち
新たなる世界を作るべき時
僕はわかってる 僕らにはそれが出来る
もし手と手を取り合ってみんなでやれば
僕らがしなければならないことはたった一つ
それをみんなで心の内に抱くこと
必ずうまくいくはず
彼らはそうします 何回でも何回でも

世界は少しでもマシになることはありません
もし僕らがただほっておくままなら
世界は少しでもマシになることはありません
僕らは変えねばならない、
そう君と僕で

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初めての有色人種の大統領になろうとしてるオバマ氏。
最悪の状況の今のアメリカ。
自分たちの欲が招いてしまった地獄。
それを抱える運命となるやもしれん。
その時に、この歌を背負って、この真摯な歌を背負ってやっていけるでしょうか?
百に一の希望でもみんなが願ってます。
アメリカだけで無く、世界中が。

あのがんじがらめな世界にいざ入ってそれが出来るのか?
xxだからそれが出来ないんだろうと、反対側から非難され、
逆に押してはいけないボタンを押すことは無いだろうか。
押してしまいそうになったら、
この歌を思い出して欲しい。

何の為に、何の為に、その地位につこうと思ったかを。
狡猾でもいい、卑怯でもいい、
潰される前にそれをかわして。

それだけを祈るのみです。


(山)2008.9.14

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ベリー・ベスト・ブルー・ノーツ

Wake Up Everyody

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ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

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Harold Melvin & The Blue Notes - 1975 - Wake Up Everybody
http://jp.youtube.com/watch?v=W-TPk3OPEOc


Harold Melvin & The Blue Notes "WAKE UP EVERYBODY" 1975 soul train
http://jp.youtube.com/watch?v=itUrjWNGnZQ

President Obama - Wake Up Everybody
http://jp.youtube.com/watch?v=DzLZzQIZez0

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ろっくすブルー・ノーツのページ

資料(英版)

English Version

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この記事へのコメント
♪モーニング、モ〜ニング!君の朝だよ。

でいだらぼっち(ダイダラボッチ)ジャケットでお馴染みフィリー・ソウルの傑作!
ダンディーでスモーキーなTheodore "Teddy" Pendergrassのヴォーカルを堪能しながら、去り行く夏に別れを告げよう。タイトル曲と4曲目 "Don't Leave Me This Way"が、僕はめちゃ好きだな、MFSBの皆さん必聴よ。(笑)
Dedicate to 岩鬼正美(ドカベン),モンスター(Frankenstein) & 浜乙女。 
Posted by moondreams at 2008年09月14日 11:15
たまには真面目なこと書きますが・・・

このジャケもガチですよねえ。
固まった人間に一輪の花。

何を表しているか考えると夜も眠れません。
昼寝ます。

ドント・リーヴ・ミー・ジス・ウェイは、私も好きです。テルマさんのも。
Posted by 山 at 2008年09月14日 22:09
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