2008年10月21日

ホワット・ドゥ・アイ・ゲット?/バズコックス 1978/2/25

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ホワット・ドゥ・アイ・ゲット?
バズコックス
1978/2/25


時は70年代倫敦幕末、おもむろに指を差されてお前らには夢も希望も未来も無いと言われた若者ども
暴れる。
殴る蹴るバックドロップするしたいものも廻りがみんな同類ばっかしなもんで困る。
それなら楽器持って音で暴れてやれ俺らは暴れているんだと
暴れる。
パンク誕生の夜明けです。
ここにそんなバンドの一つ有り。
名は

バズコックス

生誕はマンチェスター。あろうことか廻りにはまだ暴れたいことに気付いていない野郎ばっか。
諧謔と皮肉と悪い冗談のパンク王者セックス・ピストルズを呼んで暴れさせようと思う。
しかし1バンドだけでは祭にならねえ。そんなら俺らがやろうと楽器持って歌を作り前座す。
客は42人。
だが始めちゃったものは止まらない。
いきなしトップスピードで走り出して気付いたら親分とはまるで違うパンクスになってしまった。

愛と絶望の戦士、バズコックス

冒頭、お前とは違うな、ああ、お前と俺とは違う、で前に出る男二人決別す。
ハワード・デヴォート君とピート・シェリー君。
確かに明らかに違う。真っ当な別れだ。
ピート君、歌を書き、4人で演奏し、契約してレコード出す。
3枚目にしてUKチャートに颯爽と登場、その歌の名は、

ホワット・ドゥ・アイ・ゲット?〜What Do I Get

1978年2月25日、37位。その週、一瞬のみ。
そこから事は始まった。

某年某月某日、多分78年、遥か海を隔てた大和の国。
一介の野郎おり。俺。バンドやりたくて浪人して大学に入った。
東京久保講堂にてのフィルム・コンサートに行く。入場料400円。
目的は、スティッフ・ツアーのフィルム。ステッフの連中に夢中だったから。
パンクは???だった。
ニック・ロウ兄貴にしろ、パーカー氏にしろ、デューリー親父にしろ、つながっていたから。
経験していた音楽に。突然やたらと元気になり、元気な好きな音楽が暴れていたらそりゃ夢中になる。
そして、当然感激スティッフ・ツアーの模様。
じゃがも一つ余計なものにショックを受けてしまった。
それはゲストの渋谷陽一ビールかけられて情け無い醜態事件でも無く、御大セックス・ピストルズでも無く、
生ライブやった日本のバンドでも無く、
バズコックス。
曲は、

ホワット・ドゥ・アイ・ゲット?〜What Do I Get

そのフィルムにやられる。何にも無い場所で白けてんだか呆然としてんだかわからねえ顔で唄う歌手。
何よりもバックはノってるのに、肝心要大盛り上がりのはずのギターソロのところで微動だにせず、
ただ歌メロまんまのフレーズを弾く。
ドラムのオカズは同じロールだけ。ギターは掻き毟って轟音のみ。跳ねているのはベースだけだ。
技量習得してないがゆえのえらい閉塞。自由に何でもぶっ壊してやりたいのに閉塞。
若くて出来ることが無いから。
当然かっこよくてめえを隠すことなんかも出来ないから自分裸同然。
バズコックス以外何者でも無い。
それにやられた。

これに



がーーーーーー

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私は他の人みたいに恋人が欲しいだけです
私は何を得ますか
私はただ友達が欲しいだけです 最後までつきあってくれる
私は何を得ますか

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

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私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は苦しんでいます 優しさが必要です
私は何を得ますか
私は何もしようとしてはいません ただ休むことが必要なだけです
私は何を得ますか

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は眠れない夜を得るだけです
ここで一人ぼっち 私の半分空いてるベッドの中で
貴方の為だけに物事はうまくいくようです
私はそうゆう事が私にも起こることを願っています
私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

あー

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ギターソロ
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私は眠れない夜を得るだけです
ここで一人ぼっち 私の半分空いてるベッドの中で
貴方の為だけに物事はうまくいくようです
私はそうゆう事が私にも起こることを願っています
私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は他の人みたいに恋人が欲しいだけです
私は何を得ますか
私はただ友達が欲しいだけです 最後まで愛してくれる
私は何を得ますかああ

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

私は何を得ますか
おーおー
私は何を得ますか

嗚呼今貴方に言わせて下さい

私は何を得ますか私は何を得ますか私は何を得ますか

愛を得られません
私は何を得ますか
夜眠れません
私は何を得ますか
いい事なんかまるで有りません
何にも得られません
まったくまったくまったくまったく
だって
I don't get you.



何ともはや情け無。
これを鯉の滝下がりサウンドに乗って、ケツに全く力の入ってない歌声でだらーっと、きっぱしと歌い切ります。
てめえが情け無い野郎で有るつことをはっきりと世間様に明言することほど勇気のあることは無いのではないでしょうか?
アメリカンPOPでは珍しくも何とも無い、めめしい男歌。
あれはみんなの代わりに俺たちが歌ってるんであって、俺たちは別にそんなんじゃねえよのプロの風情有り。
こちらは、言い訳なんぞまるで有りません。
それどころか何にも無い。
この出してる音しか。

そこから始まってます。
そして恐ろしいことにここでこのまま終わることになるのだ。


(山)2008.10.21

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アナザー・ミュージック

Another Music in a Different Kitchen

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ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

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Buzzcocks - What Do I Get
http://jp.youtube.com/watch?v=EzJeovAiDKs


BUZZCOCKS - What Do I Get? - Toronto 1979
http://jp.youtube.com/watch?v=c-9ugAr103E

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ろっくすバズコックスのページ

資料

資料(英版)

English Version

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