
ライブ・イン・ロンドン
サディスティック・ミカ・バンド
1976
時は寛永1975年10月、ロックの本場、英吉利にて歴史的コンサート・ツアー敢行されり。
ロキシー・ミュージックの最新アルバム、
”サイレン”発売直後ツアー。

そのサポート・バンドに選ばれしは、遥か海の向こう東洋の島国ジパングから洋行せる
サディスティック・ミカ・バンド。
やったるでー、喰ったるでーの記録、ここに残されり。
ライブ・イン・ロンドン
でございます。
ロキシー・ファンの皆様方もこの盤とライヴ・アルバム
”ヴィヴァ!”

をば続けて聴かば、その75年の空気をたんまり吸うことが出来るで。
70’sのヘソの時代の激動のビート。
そのロキシーに「その辺の英国バンドとツアーするよりよっぽど面白かったでー。」とお言葉を頂いたこの記録、
感慨にふけって聴くに様々な思い交錯せり。
おお、ロキシー大好き貴方たちトモダーチの盤”黒船”のまんま前座に突入出来ればさぞかし前フリとして馴染んだだろうに、
事はそうはいかず、いつのまにかミカ・バンドはクロフネ産駒の血より母父サンデーサイレンスの血がどばどば出てしまってたのさー。
最新アルバム”ホット!メニュー”なんてーもんを作ってしまったあと。
あまりの凄腕のバックの面々、

高中正義(リードギター)
今井裕(キーボード、サックス)
後藤次利(ベース)
高橋幸宏(ドラムス)
放って置いて自然に音楽増殖、ファンキー印止めること不可能で、すっかり日本のパブ・ファンクバンドゴンザレス化してしもうたんす。
その結果、表ジャケットで一人ピン登場、加藤さんは、はてさて傍観者の如くおなりになり、
まったく浮いてる・・・・黒船ジャケみたいにー。
あまりの凄腕のバックの面々、
本場に乗り込むんだからよー、ってんで、いつもより多く廻していただいてます、レッド・ゾーン超えて熱演です、の迫力・・
これに対抗出来るは、
福井ミカ(ボーカル)

さんしかおらーん。下手などつう揶揄ぶっ飛ばす天然生命パワー。恐れを知らぬ恐山の巫女さん歌だぜ。
しかししかし張り切り過ぎたのか声が潰れてしまったらしい。
なもんで盤での登場は、足りないぞう、すげ足り無いぞうですから、
さらに
あまりの凄腕のバックの面々、
全編を支配です。

それとか
出だしの東京音頭の前フリ聴いて何とも言えぬ、ああ背中の届かないところにヌルっとしたコンニャクをペタってされたような気持になり、
明らかに舞い上がってる加藤さんの歌に、さすが同胞、その時の先輩の気持ちがヌワってわかっちゃってこっちもアガりそう。
そりゃもう全力、真面目も真面目、息を入れない演奏に、うがー日本人だ、
参ったか、これだけ出来るんだぞ、
「おいおい何だ何だ、こいつら何でこんな風に出来るんだ??」

ってフェリーさんの目が点になってる様子が目に浮かびます。
その結果が、後のファンキー”アヴァロン”路線につながったのかとか類推してしまう。
加藤さんの浮きっぷりみて、己はどうすりゃええか考えたのかとか類推してしもう。
して
全力演奏・・・ちょい哀しいのがあまりにマトモなとこ。
チャンと出来ちゃってるだけに。
リトル・フィートの誤解の異様さとか、本家黒ファンクのドス黒さとかつうより、
学校で会得したような、優等生学年最優秀で卒業した人たちが演ってますみたいなー。
その律儀さって、イギリス人もそうだから、ビックリしながらヒルがえって、赤面してしまったのではないかと、
類推。

物凄いウケ方の拍手もまた、この演奏にして納得なんすが、何故不思議な気持ちになるの。
LP内には豪華白黒ライナー。
バンドの歴史と英国メディアの熱狂的絶賛記事掲載す。

凄いのに妙に自画自賛せねばならん。
てのは、
もしかして一番ウケてないのは、自分のクニ内ではなかろうかって気持ちがどっかにございますのでしょうか日本でロックきびしー。

ゲテモノにならないでマトモに変なことは出来ず、何かしらテクとかお墨付きとか前提が必要になってしまった、
70’s前半にはあんなに好き勝手出来てたのに、何でまたより厳しいことになっちまったのか。
様々な思いが、どうしたって出てきちゃいます。
当然のようにこのツアーのあと、加藤さんとミカさんは離婚。
当然のように凄腕バック陣と加藤さんも離婚。
当然のように70’s前半、日英にて、ここに終わる。
(山)2009.1.26
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ライブ・イン・ロンドン

ろっくす特製でかい画像ページ也。

タイムマシンにお願い
http://jp.youtube.com/watch?v=7AgPpNmAWr8
Sadistic Mika Band - ハイ・ベイビー
http://jp.youtube.com/watch?v=3Mz8enqM5o0
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ろっくすミカ・バンドのページ
資料
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