2009年04月19日
霧のベイカー街 /ジェリー・ラファティ 1978/2
霧のベイカー街
ジェリー・ラファティ
1978/2
どうにも地味な音楽をやるミュージシャンが、ふとしたきっかけでドカーンとヒットを飛ばしてしまうことがあります。
えてしてそりゃ偶然の為せる技で有ったりしまして、一番驚いてるのは本人だったりして。
ま、出遅れた馬が、慌ててムチ叩かれてびっくりして思わず激走、
あれよあれよとゆう間に先頭に立っちゃって2着になっちゃうもんだな。
マジで有るんです、そんなこと。
私は聴いたある1曲で。私は見たレースで。そんな奇跡を。
霧のベーカー街
〜Baker Street
これまたどうゆう訳か2曲の全米ヒットを持つド英国バンド、
スティーラーズ・ホイール出身のジェリー・ラファティ氏の6年ぶり、1978年1月20日発売の2枚目ソロ・アルバム
”シティ・トゥ・シティ
〜City to City”
からの1stシングル。
ベイカー街はロンドンにある通りの名前です。
であるからしてご当地英国ではヒットは当然、
同年2月下旬に18位で初登場、以後、月を3つに分けた推移で、11-6-4-4-5-10-23-38位。
荒くれの時代に最高位4位。5月中旬までロンドンの春を霧に包む。
日本では、どこやそれってなもんでまるでヒットの形跡無し。
アメリカでも・・・いくらシャーロック・ホームズで有名だからと言っても、やっぱ、どこやそれ?かと思わば・・
同年5月13日、3週でTOP100を疾風怒濤で通過、40位で初登場、以後26-19-14-5-3-2-2-2-2-2-2-6-16-33位。
最高位2位6週のとんでもねえヒットに。何で2位かとゆうと、ほれ、アンディ・ギブちゃんのシャドウ・ダンシングに阻まれたのね。
そのメガヒットについでピッタシ2位でつけたってんだから、そりゃ尋常じゃありません。
その原因は・・・・
ひとえにイントロと中トロに現れるサックス。
主役の歌メロを食う勢いで目立つ目立つ。喰われた歌は超地味で、派手VS地味。その対比がお互いを最高に引き立ててしまいました。
何でもこのサックス部分、最初はギターでやろうと思ったとか。
吹いているラファエル・レイブンスクロフトさん地味にソプラノサックスでバックしようと録音に挑むが、あれまギタリストが来ないよ。
さあ、困った。スタジオ代だって安くねえよ。ってんで、自分の車にはせ参じ、アルト・サックスを引っ張り出して吹いちゃったとさ。
無事そのパートを録音したら、あらこりゃ何とまー素敵、これでいこいこの巻。
その頃、ようやくギタリストさん、
「ごめんごめん、家の前で猫ひきそうになって、それで慌てちゃって・・」とか、
気まぐれ天使の石立さんみたいな言い訳をしまして登場。ギターソロはバッチシ弾いた。
そのようにして完成したこの陰陽五行、カットインカットバック、音楽映画となりましたこれ、それで全米でウけました。
多分。
本国で1位になれなかったのは、逆にそこが何じゃこりゃと思われたのかもしれん。
で、歌の内容がまた・・・・
♪
あっちへふらふらこっちへふらふらベイカー街
頭はぼけー、足はよたよた
そう、またキチガイじみた一日を
アンタは夜通し飲み明かすだろう
そして何もかんも忘れるのだ
この都市砂漠はアンタを寒気で覆い尽くす
そりゃもう沢山の人間がいる、だが魂とゆうものが無い
ずいぶん長いことかかったもんだよ
てめえが間違っていたことを気付くのに
そりゃそいつがすべてを持っていたと思っちゃった時さ
アンタは思ったもんだ そいつはそりゃ簡単だって
アンタは言ったもんだ そんなこたぁ簡単なことだ
だが、アンタはトライしようとしてるじゃないか
今でもアンタはトライしようとしている
もう1年、その時アンタは幸せになる
たったのもう1年で、その時ぁアンタは幸せになれる
だが、アンタは泣いている
今だって泣いているだよ
通りを下っていくと、そこにはヤツに光が当たる場所がある
ヤツはドアを開ける
あの顔つきをする
そしてヤツはアンタに訊く、どこへ行ってたんだよと
アンタはヤツに言う、誰と会っていたかを、
そしてあれやこれやと何でもしゃべってしまうのだ
ヤツはこんな夢を持っている どっかの土地を買う夢を
酒をやめて、一杯飲み屋ともお別れ
そしてその時ぁ、腰を落ち着かせるんだ
やけに静かな小さな町で
そして何もかにも忘れてしまうんだ
だけどアンタにはわかってる
ヤツがジッとしてられない性分だと
わかってる、ヤツはけっしてふらふらするのをやめられないって
何故ってヤツは風来坊、
ヤツは風来坊なんだ
で、アンタは目覚める それは新しい朝
太陽が輝いている、それは新しい朝
アンタは行く
アンタは家に帰るんだよ
♪
これまた偶然かもしれませぬ。
この歌は、歌だけでは解決して無いんです。歌メロだけで。
中途半端に終わっちゃって、サックスに下駄を預けて。
下駄を預けられたサックスだって困るよ、同じ風景の、個人には一切関わりも無く同じ風景のフレーズを吹くだけでありまして、
また歌に戻る。
これが延々と続くような気分になります。
だもんでわかっちゃいるがやめられぬ何やかや、各自すべて込みで聴かされているような気分になり、
ついつい何回も聴いてしまう。
何回聴いてもすっきりしない。
麻薬のような事態に。
1978年、フィーヴァーで騒げ騒げの年。
年初頭からすでに祭のあとは用意されてました。
次の場所は、どこかわからん。
その気分は、誰がそそのかしたのでも無く、同時にこれから一斉に出て来るんです。
(山)2009.4.19
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
City to City
City to City/Night Owl
ろっくす特製でかい画像ページ也。
Gerry Rafferty Baker Street
http://www.youtube.com/watch?v=EgbGaYTkkPU
Baker Street - Gerry Rafferty long version
http://www.youtube.com/watch?v=L1UOIO38Ghs
Foo Fighters - Baker Street (Gerry Rafferty cover)
http://www.youtube.com/watch?v=axdBNCovYBc
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ろっくすジェリー・ラファティ氏のページ
英語資料
English Version
。
この記事へのトラックバック
この曲リアルタイムで聴いていた友人たちには非常に人気がありました。何故だか未だに良く分かりませんが(笑)。アルバム買った奴もいたなぁ。私はイントロと本編のギャップがどうも馴染まなくて(笑)。
一時期、両方ともチャート帳付けてましたが、さすがにしんどくなってやめました。
聞き続けましたけど。
私もアルバム3枚持ってます。
爽やかな歌声にダルーっとしたバックの噛み合わせがたまりません。