2009年06月15日

Delight Slight Light KISS/松任谷由実 1988/11/26

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Delight Slight Light KISS
松任谷由実
1988/11/26


いやー、今回は気楽だ。
何故って有無を言わさぬ名盤ですから。
さすがに達人夫婦は違うわ。時の流れに逆らわぬ。
前作「ダイアモンドダストが消えぬまに」はまさに消えぬまにの産物、新しいおもちゃシンクラヴィアに激夢中になりーの、
スクポリの束の間にハマりーの、そのガチガチのサウンドコンセプトで狂おしいばかりの苦しさ。
逆手にとっての摩天楼の幻想で蠢く生き物のアルバムで。
それだけに最初聴いた時は、

「何じゃこりゃ?」犬

でした。入り難ー。
ところがさすがに達人夫婦は違うわ。溺れません。
サッと我にあっとゆうまに帰りのこの純愛三部作の2回目、アルバムタイトルは「舌を入れないキッス」って意味ですか。
スケベ承知の手前盤。もー最初の1音聴いただけで傑作だと感じた。

何が幸いしたかっつうとスクポリ後、世界音楽を救った海の向こうの2大名盤です。
共に1986年作、

ピーター・ガブリエル氏の「SO」、

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そして

スティーヴ・ウィンウッド氏の「Back In The High Life」

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両者とも共通するは、ニュー・テクノロジーを真っ向から受けたプロデュース傑作だっつうこと。
ご本人たちの意思をもう超えちゃって、とてつもなくハマってるサウンドになっちゃった盤。
70’sの音楽魂は、80’sでこれだけ展開出来るの証明だ。
特にガブちゃん盤からの味わいの引用は顕著です。
それをば2年間寝かせて、やるってのも松任谷夫婦らしいねえ。

けっして慌てません。

ちなみにもう一つ、世界を救った、XTCの「スカイラーキング」からの影は一切無し。
合わないってこと、一点だけかな?この後の盤で出てくるのかもしれませんが。

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これまで以上にシンクラヴィア漬けです。にも関わらずそれを意識させぬ。手の内に入れたってのも有る。
それ以上にやるべきことが上回ったと。

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最初からCDをなるを意識して前提に製作されたアルバムでもあると思います。
フォーマットがまるで変わるのですから、作る意識も相当変えなければとの意思も有り。
やること考えることは仰山有るぞ。
まず
ジャケは否応無く小さくなる。
あの豪華パンフが恒例でしたから、これは思ったより痛いわ。
そこで考え出したは、3D。昔、シールとかで有ったヤツ。
これをば思いついて即採用するって、さすが。モノとして買って頂く思いは誰にも負けない。

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事実LPに匹敵するびっくり感じます。こりゃええわーって。
そして
問題は収録時間。目一杯入れたら全部アナログ2枚組になっちまう分量だとゆう。
それで潰れたミュージシャン仰山有り。
本来ならカットすべき歌もつい入れちゃって。全部聴くとうんざりさせちゃう。
そこだけは死守しました。総分量41分46秒。
LPサイズの長さは体に染み付き、意味が無ければ長くする必要無し。
やるべき量だけやるのは当然。

その当然をやるのが何と難しいことよ。

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準備万端、意気揚々と中身に突入、
そのハナ、傑作を確信した1曲目は全然その頃縁の無かった私ら夫婦でもよーくご存知の

1.リフレインが叫んでる

神様降りて来ました。「どぼしてどぼしてボクたちーは」の出だしで。
小松の親分さんの神が。0-090615-07.jpg
作曲テクだけではどーしょもならんのが、歌の神様が降りてくるかどうか。
来たわなあ。
これ出来た時点ですべての風景が変わったと思います。
旦那様の目をもしかしてハッと覚ましたのはこの歌かもしれない。
主人公ユーミンさんの手が。

とにかく

”どーして、どーして”exclamation&question

です。今でも、今こそ、叫びたい。そこらじゅうどーしてどーしてだらけ。完全同調。

「すりきれたカセットを久しぶりに聴いてみる」

洒落じゃなく、ウチの車のスティーリー・ダンのカセットは70’s製録音のものです。

2.Nobody Else

例によって、ホール&オーツすが、その頃の彼らはアルバム「オー・イエ」の頃だな。

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ちょっと祭の後雰囲気。で、それにはまったくもう関係有りません。
完全に憑依済みでこれも掌中に入れてる。パクりを超えてこっちがより深みに入った本家に。

3.ふってあげる

これがまた・・・出だしで

「今夜わたし死んでしまおうかな」がく〜(落胆した顔)

ケロケロっと仰る脅かし恒例。サウンドはEW&F。これまた本家越えで今更何てこともあるかいってなもん。
今更、今更、はユーミンさん自身の曲にも、今更で、当たり前じゃん、同じ人なんだから。
その今更をツいて非難するはお門違い。問題は素敵かそうじゃないか。
駄目ならおさらばされるは、儚い音楽稼業の宿命。おさらばしたくない、出来ない歌だから聴くのだ。

4.誕生日おめでとう

完全に我に帰った、スキっと無駄なことはせぬアレンジの象徴歌です。
何より開放感有り。うざったくない。素敵じゃないか。

5.Home Townへようこそ

瀬戸の花嫁だな。前段のメロ絶好調。言葉がころりんころりん転がる。ビートにノって。
口に気持ちよく、耳に気持ちよく。これ以上何も望みません。

「ほんとに田舎ね」がく〜(落胆した顔)

非情正直差別感想も忘れておらず。

6.とこしえにGood Night(夜明けの色)

あはは、ホール&オーツだ。ヤツラ流オールディーズミディアム。どっかキングトーンズ思い出す、
ここは二ホンよ。キモは展開部分。韻が効いてます。韻が効いてる歌に駄曲無し。

7.恋はNo-return

思いっきりひっぱたいたのは、歳を無理やり忘れるアッパー・ソング。
こりゃ久しぶりエルトン調。ピアニストを撃つな、の頃の。
てことは荒井さん時代にも直結し、ライブではさぞかし恥ずかしかったであろうと想像される動きが目に見えます。
歌がいっぱいいっぱいで。

8.幸せはあなたへの復讐

凄いタイトル・・・がく〜(落胆した顔)。この業の深さがあるうちは・・ねえ。
もう書くのも、見るのもうんざりかとも思いますが・・・・
「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」byホール&オーツ!!
だってあのフレーズが嫌っちゅうほど出て来るんだもん。合いの手の。
5年前の曲を引っ張り出すとは、やっぱよっぽど好きなんだ。

9.吹雪の中を

恒例なら最終曲に相応しいかもしれない無常歌です。
今更のこの味わいをとっぷりと。

10.September Blue Moon

祭が終わったと思われては真っ赤な大間違いを宣言するラストは、
これも得意技、ラテンな一発〆。
今更まさに今更な禁じ手サンプリングオーケストラヒットまで大盤振る舞い。
続きを示唆して終了。

・・・・・・・・

とにかく気持ちいい盤です。
トンネルの出口の光のように眩しくてホッとする。
こりゃええわって、最初から我が夫婦で意見一致したくらいで。

ところが
アマゾンで皆さんの感想を見ますと・・・
前作の評判の良さにもびっくりしましたが、
今作の評判の悪さにもびっくり!!どんっ(衝撃)

この盤は「リフレインは・・・」だけだろうとか。
確かに目立ってるけど、そんあこたぁねえでしょ。
86年世界2大名盤を喰って88年世界一大名盤になってるとグッド(上向き矢印)

ここに宣言いたします。ひらめき

ここまでやってもらって、
これが駄目って言ったらバチが当たる。たらーっ(汗)

(山)2009.6.15

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Delight Slight Light KISS

Delight Slight Light KISS

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ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

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リフレインが叫んでる / 松任谷由実
http://www.youtube.com/watch?v=Hth_x1jHHVY


ふってあげる
http://www.youtube.com/watch?v=FtuRnDmPer4


恋はNo-Return
http://www.youtube.com/watch?v=sRR2hBs-ii8

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ろっくす荒井さんのページ

資料

英資料

English Version

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