2009年07月26日

磁石と鋼/ウォルター・イーガン 1978/7/1

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↑私製ジャケです。このような日本盤シングルは存在しません。

磁石と鋼
ウォルター・イーガン
1978/7/1


ヒットチャートってばやっぱ面白くてたまりません。
業界の方々は予定ってのもあるし戦略っても当然あるでしょうから、
何とか自分たちの方針で売れて欲しいと切に願ってはいるものの、相手が不特定多数の音楽好きすからねえ、そうはうまくいかない。
生き物のように動いて変化していく動向に後から振り回されてしまうことに。
悪いことに後から振り回されてそう作ろうとした時はもう手遅れだったりして。

そうです。

旬のものは天然でしか入手することが出来ません。
これがまた・・うまく行ったもので必要とされる時にはそうゆう音楽があるんだわ。

1978年前半、それはもうご存知のごとくアメリカではデスコの最盛期でした。フィーヴァーフィーヴァーで。
でも半年も経つとさすがにみんなちょいと飽きて来ちゃったりして。正反対のものが聴きたくなります。
で、そんな時、チャートに上がったのは、作る側としてはそんなことになるとは予想もしないで作った歌。

マグネット・アンド・スティール
〜磁石と鋼


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邦題は勝手にツけちゃった。日本発売されたのかわからんかったんで。
演るは

ウォルター・イーガン氏
ニューヨーク出身1948年7月12日生まれの歌手・ミュージシャンです。
とにもかくにも
秘密ルートでご本人のこの歌を作られた経緯を話されている記述を発見しましたので無理やり訳してみました。

「1976年に僕がカリフォルニアのパロマに住んでた時、
ストロール・ビート(高名なるチャック・ウィリスによって作られた)で歌を書くことを思いついたんです。
で、ラフな感じのを、とりあえず”ドント・ターン・アウェイ・ナウ”と呼んで作りました。
その時、ちょうど1stアルバム”ファンダメンタル・ロール”をまとめている時期で、
新しい友達、そしてプロデューサーでもある、
リンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスと僕はまたレコーディングを進めていました。

スティーヴィーが僕の歌の”トンネル・オブ・ラブ”のバックヴォーカルを入れてくれたその夜、
僕のどんどん増してくる彼女に対する愛の気持ちがよりクッキリとして来ちゃって・・
世にゆう、子猫にぞっこん状態ですね。

それは午前3時にヴァン・ヌーイズからパロマの自分の家に帰るドライブの途中でした。
背後の窓にはきらめく大地の青のかけら、土の息吹とダイアモンド、そこで起こったのです。
僕は車のナンバープレートを見てひらめきました。

”ナット・シャイ〜照れ屋じゃないよ”

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自分の帰り道に戻る時には、歌詞がはっきり見えてきて、マグネットの例えにたどりついたんです。
その時点から15分で歌は作られたんです。」


はい、その通りです。流行も何も、こりゃスティーヴィーはんへの片思いから作られた切ない歌で。
罪な女人やのう、お嬢は。
で、リンジー&スティーヴィー両氏のヒット屋七光りによって大ヒットにいたる事になります。
HOT100登場6週目、1978年7月1日にTOP40に39位で初登場、
以後31-26-20-16-11-9-9-8-9-20-22-34位。最高位8位。
英日ではヒットの形跡無いけど。

恐るべき歌です。
ただでは大御所マックの二人が絡んでくれることは無い。
鬼のような鉄壁の監修が待ち受けてます。
何しろ、音が薄い。音数絞りに絞るマック様式。無駄なことなんかさせるわきゃねえ。
もー、間抜けやーって思わず叫んでしまうくらいシンプルってヤツで。
もちろん歌自体もそれに答える完璧モンです。
この時代によくぞこんなメロを。
バックビートの”ストロール”は50’sに活躍したブラック・ブルースR&Bシンガー、チャック・ウィリス氏が流行らせたもので。
あのCCライダーを作った方ですけど。
それが蘇る70’sに。
もちろん効きに効いてるのは、合いの手で入るニックスお嬢のコーラス。
ほとんどデュエット状態。
その間、イーガンさんは胸が張り裂けそう。
そして間奏のギターソロはリンジーはんだな。そうだよな。
これがまた無慈悲なほど単純メロなぞりでして。
その間、イーガンさんは胸が張り裂けそう。

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うーうううー、うーう、あーあ

その時僕はそう貴方に話しました
 知らなければいけないと

うーううう

気持ちが盛り上がるには時間がかかるもんです

うーううう

貴方は今、とっても身近な存在です
僕は君をどっかに行かせることなんか出来ません

うーううう

おー、僕は放すことなんか出来やしない

(君と一緒、僕は照れ屋なんかじゃない)
 僕の感じてることを伝えることが出来る

(君と一緒、僕は出来るかもしれない)
 自分の秘密を教えることを

君が磁石で、そして僕がハガネになるために


僕は望むことが出来ません
 貴方を長く留めることを

うーううう

貴方は女性、自分の歌を失っているひと

うーううう

でもその愛、僕がとても強く感じている愛

うーうううーう

おー、そしてそれが間違っていることなんかありえない

(君と一緒、僕は照れ屋なんかじゃない)
 僕の感じてることを伝えることが出来る

(君と一緒、僕は出来るかもしれない)
 自分の秘密を教えることを

君が磁石で、そして僕がハガネになるために

ギタア

うーうううー

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ギタア

うーうううー

ギタア

うーうううー

ギタア

(君と一緒、僕は照れ屋なんかじゃない)
 僕の感じてることを伝えることが出来る

(君と一緒、僕は出来るかもしれない)
 自分の秘密を教えることを

君が磁石で、そして僕がハガネになるために
君が磁石で、そして僕がハガネになるために
君が磁石で、そして僕がハガネになるためにいいい



結局は磁石とハガネになることなしに、磁石のN極とN極になっちゃんだな。
瞬間はどうなったか知りませぬけど。

このあと、また一人で荒波の音楽界を生き抜く。
チャートヒットはこれ一発のみで。

しかして

忘れられますかい。こんなディープインパクトな歌を。

それにしても
ライヴで演奏するにこれほど不向きな曲は無し。
むずかしいぞー、これをバチっと決めて演るのは。

(山)2009.7.26

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Not Shy

Fundamental Roll/Not Shy

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ろっくす特製でかい画像ページ也。

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Walter Egan - Magnet and Steel
http://www.youtube.com/watch?v=B7DAHi_Cks8


Chuck Willis What Am I Living For
http://www.youtube.com/watch?v=x43rs7FYyeE


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ろっくす一発屋さんのページ

英語資料


English Version


posted by 山 at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 一発屋さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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