NPO法人ウルトラ警備団
第2回:帰ってきた男(2)
「隊長、あいや、団長、団長!!」

「何だ、騒がしいな。」

「そりゃ騒がしくもなりますわ。」

「騒がしいのはいいが、草取りはどうした?」

「え?そんなもん、あとあと。ま、見てくださいよ。珍客です、珍客。
さ、早く・・・みんなに。」

「どーも・・・・お久しぶりです。」

「お、お前は!・・ダン。」

「え?ダン?」

「ダンじゃないか。まさか・・俺、夢見てないか?幽霊?」

「幽霊じゃありませんよ。アマギ隊員。ちゃんとした人間です。つか宇宙人か。」

「あはは、そりゃそーか。」
全員爆笑

「元気そうだなあ。」

「皆さんも。いささか貫禄が出たみたいですけど。」

「歳取ったっていいたいんだろ。そりゃそうだ・・・41年ぶりじゃないのか、もう。」

「お前だって歳取ったじゃないか。」

「そうなんだ。俺もな、不思議に思ったんだけどな。」

「あはは。訳はあとでゆっくり話しますから。
それより皆さんこそ、何でこんなところに。」

「そうそう。こっちの訳もそりゃもーゆっくりだ。41年分。」

「じゃ、立ち話してる場合じゃないな。
よし、
あんぬ、今日の駆除の依頼は無いんだろう?」

「はい。今のところは。」

「もう無線切っちゃえ。何のかんの言ってきたら故障だって言っとけばいい。
今日はもうお開き!
ダンの帰還祝いだ。」

「わー、そりゃいい。じゃちょっとした小粋な料亭で一杯。
経費で落として。」

「そんな経費が落ちる訳が無いだろう、ここで。
たしか、こないだ貰ったビールとポン酒が有ったよな?」

「発泡酒とイーチコですけど・・」

「それで上等。
ツマミは・・・・仕方ない。俺がポケットマネーで出すよ。」

「お、さすが隊、いや団長。パーっと出前寿司でも!」

「バカ。
えーーっと、1,2,3、4・・・
あんぬ、ピザ屋に電話してくれ。チラシがあったろう。半額チラシ。
それで4000円分、何でもいいから量が多いやつ。」

「はい。」
・・・・・・・・・・・
「ちわー。3ウェイピザです。」

「じゃあんぬ、これで。釣りは取っといていいよ。」
・・・・・・・・・・・

「団長、釣りって、30円足りなかったじゃないですか。」

「あはは、すまんすまん。次の給料日まで貸しておいてくれ。
それじゃあ、料理も揃ったところだし・・・
お、みんなコップ・・行き渡ったな。
では、ダンの無事帰還と、ウルトラ警備団の・・・
何だろ。何か祝いことあるか?」

「この際、何でもいいでしょ。」

「警備団の無事を祝してカンパーイ!!」
カンパーイ!!

「ぶはー、生き返る〜。」
いっただきまーす!
・・・・・・・・・・・

「じゃ、そろそろいいですか?
まず、そが隊員は・・・どこにいるんですか?」

「そがか・・・ちょっと話せないな、そりゃ・・」

「・・・・・
そうですか。それではあえて訊きません。」

「そのかわり新隊員がいるぞ。いや新団員。」
ばたん

「団長、只今、戻りました。明日無事、例の装置稼動出来そうです。」

「お、いいタイミングだ。
紹介しておこう。ダン、これが新団員のビショップだ。
ビショップ、これがいつも話してたダンだ。戻って来たんだよ。」
握手。

「はじめまし・・・
お、君はもしかして?」

「さすがはセブン、握手だけでわかったか。
そう、彼はアンドロイドだ。と言ってももうみんな人間だと思って付き合ってるがな。
本団で最もしっかりした団員だよ。」

「そうですか。ビショップ、よろしく。」

「こちらこそよろしくお願いします。こちらがあのセブンさんですか。
会いたかったです。光栄です。色々お話伺いたいです。」

「それにしてもさすが41年も経つと地球の科学も進歩しますねえ。
こんなに精巧なアンドロイドが作れるなんて。」

「あはは。そうでもないんだが。これにも訳有りでね。」
ばたん

「お、その訳有り張本人が戻って来たぞ。」

「え、あ、貴方は!」
つづく
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