
幸福を売る男
アンドリュー・ゴールド
1978
拝啓、
王子。油断させすぎです。あまりに全部がのほほーんとしているから気が付きませんでした。
31年も。
ウルトラ・マイペースでお出しになったこのアルバムがこんな名盤だったなんて。
何てったって買っていたの忘れていたくらいですから。
ずっと持っていないと思い込んでた。
こないだ他の盤を探すため段ボール箱漁っていたら・・あ、有った。
レコ屋さんで眼前に出たらまた買ってしまっていたとこです。
危ない危ない。
幸福を売る男
〜All This And Heaven Too。
1978年発。

3枚目の貴方のアルバム。
もしかしたら・・と気になったのは英国チャートを探検しててです。
パンクの時代にあれよあれよとゆうまに2枚のシングルヒット。
彼女に首ったけ
Never Let Her Slip Away
3月から当たって最高位、何と5位。
愛しているのに
How Can This Be Love
6月から当たって最高位19位。
アメリカでは、
気の合う二人
Thank You for Being a Friend
最高位25位。この歌はもう先刻ご承知。もう大好きでした。
さらに
アイム・オン・マイ・ウェイ
I'm On My Way

ヒットしなかったけど。そりゃ無理だよの地味曲だったけど。
4枚もシングル出したのだ。
そしてイギリスに時ならぬ西海岸ブームを巻き起こした。それまでまるで地盤がなかったのに。
逆風を吹き飛ばすほどの素晴らしきレコードです。
しみじみ聴いて心底思いました。

そりゃ全編のほほーんです。LA花形満さんですから、それは貴方の持ち味ですから誰が文句を言うでしょう。
でもそれでいいこともわるいことも。
みんな、油断しちゃいますって。
こんなに良い曲を書いて、素晴らしい歌声で、ストラトキャスターここに有りのギタープレイなさってても。
ところで
質問があります。
何でそんなにギターが上手いのに、ゲストでワディ・ワクテルさんを呼んだのかな?
お二人とも兄弟みたいな演奏なさってるので、クレジットを見るまでわかりませんでした。
とにかく、音質を含めて・・
嗚呼、たまらん。オーリアンズのジョン・ホールと並ぶナチュラル・ディストーションの名プレイです。
あ、
そもそも何でドラムス、ベース他、ゲストをお呼びになったのか?
全部、自分で凄い演奏なさってる曲もあるのに。
寂しかったんすね、王子。

どうしてイギリスで当たったのか。それもわかりました。
思いっきり10ccです。
歌いっぷりもエリック・スチュワート氏に似てる。
アメリカのミュージシャンらしからぬ生真面目な作り方もそうですね。
それでのちにグレアム・グールドマン氏と組んだ。
前々から思っていたものの、これで心底、納得し。
そうゆう耳で聴くとなおさら楽しくってしょうがありません。
B面の2曲目、”恋は何処に”なんか特に・・・・・
ケイジャン風味、ガース・ハドソン氏みたいなアコーディオンが鳴り響くと思ったら、ギズモみたいなギターが鳴って、
メロと声は、エリックさんみたい。
実家自宅のでっかい庭の片隅で焚き木をしながら、星満点の夜空を見ながら作られたのでしょうか?
ジュヌヴィエーヌなんか、
アメリカン人がやるラテンの最高峰。ユーミンさん、思い出しちゃいます。
でもAORって訳でない。
ウエストコースト・ロックどっぷりって訳でもない。
こりゃかなわないわって、パンク連中に敵として倒されるに相応しき70’sポップロックの完熟。
ひっそりと
フリートウッド・マックの噂とかスティーリー・ダンのAJAと並んじゃうような名盤だと確信します。
それ、気が付いてほんとに良かった。
気が付いてから何回、聴いただろ、もう。
飽きるどころか、ますますハマってます。
遅過ぎること無いですよね?
王子なら、きっとよっしゃよっしゃと喜んで下さる。
ありがたき幸せです。
ラストの”恋の終わり”、トドメのこの名曲・・・・
今もまた鳥肌立ってます。

(山)2009.8.20
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All This & Heaven Too

ろっくす特製でかい画像ページ也。

Andrew Gold - Thank You For Being A Friend 2009年06月03日
http://www.youtube.com/watch?v=bOqyygAQSX0
Andrew Gold - Genevieve
http://www.youtube.com/watch?v=-CnYl4v8Zkk
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ろっくすアンドリュー・ゴールド王子ページ
英語資料
English Version
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