2009年10月14日
闇に吠える街/ブルース・スプリングスティーン 1978/6/2
闇に吠える街
ブルース・スプリングスティーン
1978/6/2
とにかくハマったのだ。1975年の”明日なき暴走”には。
全米TOP40で聞いて一発でヤられ、レコを無理やり買い、
ただでさえ埃が付きやすい薄い盤のソニーのLPをそれこそ擦り切れるほど聴いた。
あのサンダーロードから始まりバックストリーツ、明日なき暴走、
そしてジャングルランドで終結する見たことも無いNYの街の風景に浸って。
ガツーン。
それから3年。3年も経ってもまだガツーンいささかも消えず。
そんな時、次の便りが兄貴から届いた。
闇に吠える街
〜Darkness on the Edge of Town
ブルース・スプリングスティーン
1978年6月2日発
前哨戦のパティ・スミス姉御のビコーズ・ザ・ナイトに続いて。
正直、ジャケを見ただけで仰天。おいおい、疲れきってるじゃんか。
裏ジャケなんか、
アキラなら
「兄貴〜、カッコ悪いよ、兄貴〜。そんな写真、使っちゃっていいのかよー。」
って言うところだぜ。どうしたんだ兄貴。
その頃は、空白の3年間、成功の代償でマネージャーと裁判沙汰にまで揉めに揉めていたことなど知らず。
そして聴いてまたまたびっくり。
まるで変わってる。
作風が。
まともになってる。
あのどうにもこうにも溢れ出る言葉で収拾が付きようも無く、どうせ収拾が付かないならええいとことんまで付き合うぜ、
とピアノのロイ・ビタン氏がびったしバイクの後ろで抱き付き、その頭の上にクラレンスおっさんが乗って排気ガス吐き出すサックスを撒き散らしたあの音が。
まともに。
1番が有って2番が有ってコーラスリフレインが有って、ギターソロで、またコーラス。
ポップソングの定番。
で、それがすげえ良い曲ばっかで、その形式、俺はずっと好きだったから喜んだよ。
でもあの、明日なき暴走みたいに擦り切れるほど聴かなかった。
このあと兄貴とはほとんど決別した。
♪アーメリカ生まれさ、俺は♪
なんかほとんど他人事。
何でだろう?
変わったからだ。やっぱ。
あの不恰好で、しかし誰にも真似出来ない音楽から、マトモですぐに真似される親分になっちまったから。
3年の月日は長し。
その間、パンクなんてーもんも出て来た。グラハム・パーカーなんて挑戦状も叩きつけられた。
ドクター・フィールグッドもフィールグッドだった。
おそらくじりじりしながらそれを聴き、ハマっちゃったんだろうと思う。
で、ギターソロは全部自分で弾いたのだ。上手いの下手の知ったことじゃなく。
喜んだぞ。
無茶苦茶。その音に。
ボズ・スキャッグス氏がブレークしたあといきなし自分で弾き出した時と同じくガツーン。
だが、
それからは兄貴は親分になって弾かなくなったんだろ。
また元気になったからか?
何に元気になったんだろう?
今、ようやく冒頭の歌を、自分で訳解釈して何かがわかるだろうか?
Bruce Springsteen - Badlands
http://www.youtube.com/watch?v=LxCsKw4J_Ws
♪
今夜、灯が消える
ハートランドでの揉め事
真正面からの激突
俺の根性へ一撃だ、マン
俺は十字砲火を浴びた
何だかわからねえうちに
だが確かなことが一つだけある、ガール
俺は気になんかしちゃいねえ
相も変らぬことで、事はお仕舞い
俺は気にしないぞ
正に渦中にいても
ハニー、俺はハートが欲しい
俺はソウルが欲しい
俺はコントロールしたい
たった今
アンタは俺の言うことを聞いたほうがいいベビ
夢について話せよ
現実のことにしようとしろ
アンタは夜に目覚める
あまりにもマジな現実への恐怖と共に
正に来るわきゃねえ瞬間を待ちながらテメエの人生を無駄にしてるんだ
そうだ、アンタの時間を待つことで無駄になんかするんじゃない
バッドランド
アンタはそこで毎日過ごさねばならない
ぶっ壊れたハートを放っておく
払わなにゃならん代償を払って
俺たちはやり続ける、そいつが叩き込まれるまで
そしたらこのバッドランドは俺たちをまともに扱ってくれ始めるぜ
畑で働く
背中が日焼けで真っ赤になるまで
車の下にもぐりこんで働く
アンタが現実を理解するまで
ベビ、俺は自分の現実を知ったよ
たった今、マジでありありとな
アンタはそれをそのまんま受け止めるほうがいい、ダーリン
貧乏人は金持ちになりたがる
金持ちは王になりたがる
で、王と言えば満足なんかしちゃいねえ
ヤツがありとあらゆるものを支配する時まで
俺は出かけたい、今夜
俺は俺が獲ったものを知りたいんだ
ああ、俺は愛を信じてるよ、アンタが俺にくれた愛を
俺は仁義を信じてる、俺を救ってくれた誠を
俺は希望を信じている
そして俺はそいつを祈る いつの日か
そいつはここから俺を引き上げてくれるかもしれねえからな
バッドランド
アンタはそこで毎日過ごさねばならない
ぶっ壊れたハートを放っておく
払わなにゃならん代償を払って
俺たちはやり続ける、そいつが叩き込まれるまで
そしたらこのバッドランドは俺たちをまともに扱ってくれ始めるぜ
おうおうおうおう
ギタア
サックス
うーうーうーうーーーうんうー
うーうーんうーーうーー
思いを持つ連中のために
思いは深く内側にある思い
それは悪いことであるわきゃねえ
喜びのためにアンタは生きてるんだ
俺は一つでも顔が見たい
俺を見透かさない顔を
俺は一つでも居場所を見つけたい
俺はこのクソッタレな土地にツバを吐きたい
バッドランド
アンタはそこで毎日過ごさねばならない
ぶっ壊れたハートを放っておく
払わなにゃならん代償を払って
俺たちはやり続ける、そいつが叩き込まれるまで
そしたらこのバッドランドは俺たちをまともに扱ってくれ始めるぜ
うおうおうおうお
バッドランド
うおうおうおうお
バッドランド
うおうおうおうお
バッドランド
うおうおうおうお
バッドランド
うおうおうおうお
♪
うもー。いい歌だぞ。そのとおしだ。
が。
んが。
やっぱり変わった。
あのいいんだか悪いんだかわからないで街の風景を見たまんまマシンガン描写していたNYイタコが、
自分の気持ちを吐き出してる。
そいつはいいことに決まってる。
決まってるじゃんか。
しかし結局、これを聴いて、自分はこのアルバムの裏ジャケの兄さんの顔の表情みたいになってしもた。
そんな勝手な理不尽な。
と責められようとも、仕方がない。
パーカー氏やコステロ氏、バズコックスやイアン・デューリー親父と仲良くしちゃったのです。
それでも大好きなのだ、このアルバムの歌たち。
こうゆうのを愛憎相持つとゆうのだな。
Side one
1. バッドランド
〜 "Badlands" – 4:01
2. アダムとケイン
〜"Adam Raised a Cain" – 4:32
3. サムシング・イン・ザ・ナイト
〜"Something in the Night" – 5:11
4. キャンディーズ・ルーム〜
"Candy's Room" – 2:51
5. レーシング・イン・ザ・ストリート
〜"Racing in the Street" – 6:53
Side two
1. プロミスト・ランド
〜"The Promised Land" – 4:33
2. ファクトリー
〜"Factory" – 2:17
3. ストリーツ・オブ・ファイヤー
〜"Streets of Fire" – 4:09
4. 暗闇へ突走れ〜
"Prove It All Night" – 3:56
5. 闇に吠える街〜
"Darkness on the Edge of Town" – 4:30
(山)2009.10.14
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闇に吠える街(紙ジャケット仕様)
Darkness on the Edge of Town
ろっくす特製でかいジャケットのページ也。
Bruce Springsteen - Adam Raised A Cain
http://www.youtube.com/watch?v=lOj5tNzKQdk
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ろっくすブルース兄貴のページ
資料
英語資料
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BADLAND
だけですけど・・・。
LP自体を通して聴き終えた記憶がありません。
なるほど。
あれとあれの間のアルバムって感じがしますもんねえ。