
未来への回帰
トッド・ラングレン・ライヴ
1978/12
70’s後半は名盤ライブ・アルバムの時代です。
ピーター・フランプトンちゃんのウルトラ・セールス盤を皮切りにあまたの名バンド、名ミュージシャンがキャリア総決算のトドメ盤をリリースいたしました。
ほぼ例外なく外れ無し俺たちゃ歓喜の渦に包まれたもんです。
その連発の最終便に近い頃、待ちに待ったあの方のが出たよ。
トッド・ラングレン兄貴です。
初代ユートピアでの壮絶モンは既に有りましたが個人名義は初めて、そりゃもう聴く前の期待はばんばん。ハードルは上がるだけ上がってた。
未来への回帰
〜Back to the Bars

1978年12月リリース。あの超絶盤”ミンク・ホロウの世捨て人”のあと。
録音場所はニューヨークのボトムライン、LAのロキシー、クリーブランドのアゴラ。
バック・メンバーは各所でバラバラで、もちユートピアの連中、ハロー・ピープル、子分たち総動員。
ゲストで
スペンサー・デイヴィス、エドガー・ウィンター、
リック・デリンジャー、
スティーヴィー・ニックスお嬢、ホール&オーツの各氏。
夢のようなメンツです。

で
その上がりきったハードルを超えることが出来たか?

いやー、やっぱ凄かった。有り余る名曲の数々が怒涛の如く押し寄せるその迫力。
たまりません。
この方、やっぱザッパ大明神と並ぶアメリカ角界の横綱だよ。

が
トッドちゃんたら一筋縄ではいかない人格人狂人です。
完璧主義者の大雑把きまぐれさん。
気合入りまくりの総まとめに????マークが果てしなく各所に。
もち自身がプロデューサーですからやりたい放題で。

謎その1
なんでまた”ミンク・ホロウの世捨て人”から1曲も演ってないのか?
ソロ総決算の大名盤だったのに。
”キャン・ウィ・スティル・ビー・フレンズ”がせっかく珍しいTOP40になったのに。
みんな当然入ってるの期待してたはずで。私もそうでした。
だけど入ってない。
これは録音が世捨て人アルバム製作前か途中だったのか。準備が出来てなかったとか。
それならねえ。
待てばいいのに。
もうちょっとだけ。入れる入れないでセールス大違い。売れるかどうかどうかわからんかったとしても、最新作から何か入れるの当然かと。
こりゃおそらくこれだけの陣容でソロ・ライブ出来た時期がこの時だけだったからかもしれません。
「フランク・ザッパが羨ましい。あれだけのメンバーで、リハーサルにもギャラ払って完璧なライブが出来るんだから。」
との発言を見たことあります。傑作だらけもそんなに売れてるとは言えなかったトッドさん。色々障壁が有ったのでしょう。
では、ザッパ氏は金があったかとゆうと・・・。もっと売れてなかっただに。
あの方はやりたいと思ったらもうスッポンで、喰い付いたら離さないから。それにライブをスタジオ・アルバムに加工してしちまうって裏技も使うし。
トッドちゃんは、そこまで執念の人じゃないよ。途中で諦める。あはは。
それにライブはライブ、別物になります。
狂うから。

TODD RUNDGREN COULDN'T I JUST TELL YOU BOTTOM LINE 5-14-78
http://www.youtube.com/watch?v=mYc_NEBMphU
全部一人やるアルバムであれだけ狂って吼える方です。ライブじゃもう制御不能の大虎に。
弦が切れようがチューニングが多少狂おうがカカるだけカカって大逃げ。
あとは知らん。

謎その2
先に書いたように豪華ゲスト陣参加です。みんな御大の後光に惹かれて集まった人たち。
大いにフューチャーすりゃあ、これまたメガセールス必須です。
それがまた大雑把な扱いで。

ほとんどが最終曲、必殺の”ハロー・イッツ・ミー”でコーラス参加。
Hello Its Me~Todd Rundgren with Stevie Nicks
http://www.youtube.com/watch?v=EECF9EWwwTc
ニックスお嬢なんか例の如く目立とうと奮闘しとりますのに、ミックスでバサっと小さな音量で処理。

↑見切れるニックスお嬢の図
ホール&オーツ他は完全に全員ジョン・オーツちゃん状態。

↑弟子、指図されるの図
さっぱし声の区別がつきません。
エドガーさんにいたってはクレジットすらなし。
これねえ、
かわりばんこに唄ったら、特にお嬢とダリル君なんか、話題沸騰すよ。
シングル・カットしたらまた大ヒットしたでしょうに。
そのあたりまるで気付きもしなかったんだろうなあ。
たまたま来るって聞いたから、簡単に打ち合わせして、ステージに上げて唄わせたってノリ。
まったく商売っ気無いよ。もー。
ホール&オーツは、3面の待ってましたフィラデルフィア・ソウル・メドレーに参加して貰うって粋な計らいもあったはずで。

そんなこんな全部忘れるほど我を忘れて暴れるシングル・スリーブに2枚押し込めたやっちゃった名盤迷盤ライブ・アルバム。
けど
ファンはそんなどっか気のきかないトンパチなトッドさんが大好きです。
最強なのにチャンピオンになれなかったディック・マードック飲兵衛と同様に。

そんな意味で
最初に聴くにはまったく相応しくない盤かと。
最初に買って、他のを全部買った後、最後に歓喜の歌でどうかよろしく。

(山)2009.11.4
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バック・トゥ・ザ・バーズ(未来への回帰・ライヴ)(K2HD/紙ジャケット仕様)
Back to the Bars

ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

TODD RUNDGREN LOVE OF THE COMMON MAN AGORA CLEVELAND OHIO
http://www.youtube.com/watch?v=hfVr13R_Rog
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ろっくすトッド師のページ
資料
資料(英版)
English Version
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http://www.246.ne.jp/~elmo/jp.index.html
現役バンザイ!
元気ですとこちらも嬉しくなりますね。