2009年11月12日

ベネフィット/ジェスロ・タル 1970/4/20



ベネフィット
ジェスロ・タル
1970/4/20


よくおタナは三代目で潰れるなどと言いますな。
初代が何も無いところから裸一貫で始めて、何とか形にする。
そいつを幼い時から手伝わされていたのが二代目。
大体が海のものとも山のものともわからんことですから、付き合ってくれるのは身内しかおりません。
で、年端がいかないうちから付き合います。そして何とか軌道に乗った頃、言いますな。二代目は。

「親父のやり方は好きだけど、俺は俺のやり方でやってみてえんだ。」

すると大抵、初代は怒ります。

「てめえ、まだ青二才のくせに生意気なこと言いやがって10年早いわ、好きにやりたかったらこのウチを出て行きやがれ。」

だもんでほんとに生意気な口をきいただけでまだ何もわかっちゃいない二代目は家を追い出されます。
仕方が無いからまた自分でやり方を見つけて、初代のやり方を思い出し、違うことをしようとし自分のおタナを構えます。
で、大変な苦労をして成功したとしましょう。
大変な苦労をしますから、生まれた子供、三代目に何も教える時間は無し。
同じ苦労をさせたくないから甘やかします。
一応は、言いますわな。

「お前、ロックってやつはな。反逆しなきゃいけねえんだ。てめえで、自分のやり方を見つけなきゃいけねえ。
わかったか?」

「わかった、父ちゃん。」

素直に聞いております。あ、ここ笑うとこですから。
はい、すいません。
そんなわけで三代目はそこまま二代目のやったことをやっちまって、次第に新鮮味が無くなってオタナは潰れる。
めでたしめでたし。

めでたくありません。
けどまあ、そいつは結局、三代目自身の問題ですから、勝手に好きにやりやがれ。自分で何とかしなさいな。

とか長い前フリの末、本題です。
ここに二代目の初代を超える為、そりゃもう己を濃くせざるを得なかった野郎のアルバムござい。

ベネフィット
〜Benefit
ジェスロ・タル




言わずと知れた英国の名工、イアン・アンダーソン笛吹き率いる楽団の三枚目アルバム。
前作「スタンダップ」でついに、これが俺様だの世界を作り上げ、ようやくついにおタナ大繁盛になった1970年4月20日の出来事。
新店員も雇いました。鍵盤師のジョン・イーヴァン君。しっかり働いておくれよと大番頭のマーチン・バレさんと共に励まして。
けどまあやる気ますますあれどもそこは人間。初めて大忙しのあとです。少しは疲れてる。
自分たちでも気付かないうちに。だがそこはロックの黄金黎明時代1970年。やらねばならぬやらねーばー。
しかも今のうちなら色々新しいことも試せる。やるべやるべ。
けれんども俺だ俺だで初代を超えた二代目ですから。結局は俺だ俺だになってしまいますところが最大の魅せ所。
それがたまらん味わいでして。



そうそうシングルも出しました。こんな偏屈楽団なのにこの連中、出すもの出すものほとんどヒットしてたんです。
出したのは

インサイド
〜Inside




ところがこれに限って全然ヒットせず。
それはまあ、アルバムは大ヒットしてますから、それだけロックがアルバムの時代だったって訳で、
この歌のせいでは全然ありません。
と言っておこうかね。

Jethro Tull- Inside
http://www.youtube.com/watch?v=aFkXk7mtRlA




どこの場所でも俺は何かを始めることを躊躇したもんだ

心底、また人生を楽しむ為に
だが俺はそうするつもり

近所で散歩してくれよな
で、いつか俺が楽しくなるようにしてくれ
外ツラからそうさせてくれるように
そして内ヅラからも アンタと一緒に

俺は街角に座っている 気分良く
入ってくる金は無かったさ
でも悲しくなんかねえよ
そいつは俺が飲んだ中でも最高のコーヒーだった
で、俺は何にも気に病んだりしねえ
何故って俺たちはやり遂げたんだ
ここで内っかわでも外側でも 遥か彼方

そして俺たちは笑うだろう、そして唄う

ここで俺らのダチが連れてくる誰かを捕まえてくれ
夕方のお茶のために
年寄りのジェフリーは3人になるって訳だ

公園を散歩してくれ
暗闇の風はそうするぞ

アンタの為の音楽みたいな音か?
そう、俺はそいつは俺のためにそうしてくれると思ってる

ななーなーなな
ななーなーなな



ななーなーなな
ななーなーなな

アンタは料理が出来るか?縫い物が出来るか?
ああ、俺は知りたくもねえ
そいつはアンタが心底必要なものなんかじゃないだろう
暇つぶしするために

子羊を数えている 羊を勘定している
俺たちは眠りにつくさ

で、生きる新しい日に目覚める
そしてアンタをいっぱい愛してる

なーなな
なーなな
なーなな



ななーなーなな



どうですか?ちょっと疲れてるでしょう。
しかしメげません。再び立ち上がるそのさま。
あんな風貌ですけどまだ若いですから、一日でもぐっすり寝ればまた元気いっぱい。
で、ぐっすり眠れたのかな?

あ、そうそう。最後にもう一席。
なんだかんだ申してもタルはタル。こいつはもータル漬け。
好きでたまらぬ一本ドッコビートのこれをばご清聴ください。

師匠
〜Teacher




Jethro Tull- Teacher
http://www.youtube.com/watch?v=_fNY0JuATpQ




ああ、夜明けは来ている
俺の鐘をヤツが鳴らしているのを聞いた
ヤツは言った
「俺の名は師匠、まあテメエでそう呼んでるだけだがな。
で、お前さんに教えなきゃならん授業をしよう。
そいつは古色蒼然としてるがな
俺はソイツは真実だと言わにゃあならん

飛び出せ 廻りを見渡せ
ちょっとばっかの楽しみだと思えよ
誰も彼もを嫌ってそこに座ってるなんてナンセンス

男は島なんかじゃない
そしてそいつの城は家なんかじゃ無いんだ
鳥は飛び立ったら、巣など何の意味も無いんだぞ。」

ちきちきちきちきちき

それで俺は旅をした
俺の世界を海の中に放り入れた
俺と師匠は行った
師匠は俺の代わりに楽しみを見つけてくれたのさ

おい、アンタ、どうするつもりだ
お前さんは何て言ったんだ?
日焼けして、手酌して、ベッドに寝ている
俺は世間に馴染もうとしてる
けど俺には見つけられないみてえなんだよ
俺が求めていたものを
心の中で何かを得れるようなもんを

ちきちきちきちきちき

フルート!

ギタア!

それから師匠は俺に言った
それは楽しみでいっぱいのことだった
彼のチケットをありがたくいただき
全部丸ごと、俺はやったよ

おい、アンタ、どうするつもりだ
お前さんは何て言ったんだ?
日焼けして、手酌して、ベッドに寝ている
俺は世間に馴染もうとしてる
けど俺には見つけられないみてえなんだよ
俺が求めていたものを
心の中で何かを得れるようなもんを

ちきちきちきちきちき



どうでございましょう。初代に対する愛憎半ばが、疲れてますからむき出しに出ております。
正直者にしかなれねえ野郎、それが男イアン・アンダーソン。
わたくしはそんな彼が好きです。

山田君、イアンさんに座布団30枚!



(山)2009.11.12

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00000-1.jpg

ベネフィット (紙ジャケット仕様)

Benefit

00000-2.jpg

ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

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↑当時ML誌レビュー

ろっくすジェスロ・タルのページ

資料

資料(英版)

English Version


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posted by 山 at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | プログレシブ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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