2010年03月03日

禁じられた掟/パブロフス・ドッグ 1974/4/4



禁じられた掟
パブロフス・ドッグ
1974/4/4


ううううう、もっと美味いもの喰わせろ、わん。
てなブス顔ワンコがおります。ジャケットに。

裏を返すと、



そんなこと言ってもしゃあないべ、うちらの飼い主ビンボーなんだから諦めろよ。
と言ってます頭の良さそうな犬。

しかしてよく見ますと表裏、片方の犬が片方の犬に話しかけている感じじゃない。
お互い背を向けているようにも見える。不可思議な感覚に囚われますエンボス地の紙の上・・
飼い主はパブロフさん。

禁じられた掟
〜Pampered Menial。

原題の訳は”甘やかされた召使い”

アメリカはミズーリ州セントルイス出身とゆう類まれなるプログレ・バンド、

パブロフス・ドッグ

の1stアルバムです。
前回2ndアルバムを讃えさせていただいたのが5年前だってば・・・
この盤の存在を知ったのが34年前ぐらいじゃないか。
ミュージックライフの名盤コーナーにて。
その時は多大なる興味を持ちましたが、お金を持ちませんで買えませんでした。
それがついこないだ出会う。
再発盤。米盤の。1976年ヴァージョン。
会社はとにかくプログレにご執心だったCBS。
初版は1974年4月4日に発売しまるで売れず、それでも再発したのはカンサスのブレークに乗じてのものかいな。
だが
違いすぎるのだ。

結成、そしてデビューへの道のりは2nd感謝の際に書きました。
リーダーで引っ張るは、ヴォーカルのデビッド・サーカンプ君。
不世出一代横綱の歌い手で、強いて言えばイエスのジョン・アンダーソン氏の末弟で産まれた時、象に踏まれてしまい、
アーム筆入れじゃないので、すっかり声がチリメンジャコみたいになってしまいました人です。
おそらく嫌いな方は一目聴いただけでオカンに悪寒が走り裸足で逃げ出すでございましょう。
ユーミンさんが”ひこうき雲”録音にあたって、ノンビブラート唱法に矯正される前がこんな感じだったのかも。

それはやっぱ気色悪い。

だがサーカンプ君の場合は誰も止める者なし。
屈強なる変態になりました。
そして
バンドサウンドも。
まあ、廻りが勝手にプログレと呼んだだけで、当人たちはそんなこと毛ほども思ってなかったのかもしれません。
ただ作って演ったらこうなってしまった。
気が付けば廻りには誰もいません音です。

鬼っ子。

しかして
それが類稀なる音楽となったことで、今も音楽は生きてます。
ユーチューブで検索してリスト再生化したら全曲揃ってオツリが来たよ。
それくらい愛する人は愛する。
そんな存在ですから・・・全曲リストで聴かれてもきっと現物が欲しくなる人は必ずしや欲しくなる。
そう確信しました。

パブロフス・ドッグ
http://www.youtube.com/view_play_list?p=91337F9EB14740DF


A面



1. ジュリア
〜Julia


胸かきむしる哀恋歌です。中央にどっかと座るのは、ブス犬・・
じゃなくてもちろんデビッド・サーカンプ君の歌、声。
そしてもひとつ、
メロトロンです。キンクリと同じ3−ヴァイオリン音色の。
絶望に絶と望を掛け合せたようなねいろの。
傷跡がくっきり見えるような

るんるん

ジュリアぁ
君は僕にキマリを作った
君のドアに歩いて行けって
ただもうもっともっとと乞いながら
そして
ジュリアァ
僕は君より上手くやることが出来なかった
君はそう言ったね
僕は他の誰も欲しくないんだ

そう
僕は君の愛無しでは生きていけない
そう
僕は君の愛無しでは生きていけない
ああ
僕は君無しでは生きていけない

ジュリアぁ
おー、君は僕をおかしくさせる
だけど僕は・・・
僕は君のプランの一部に過ぎない
おお、君の夢が続いてる間だけのただの男
おあ君はただの僕の一部分だ
おお
どうか見ておくれどれくらいか
どれくらい僕が君にとって大切かどうか
どうか見ておくれどれくらいか
どれくらい僕が君にとって大切かどうか
ジュリアア

フルート・・・

ジュリアぁ
すっと君のところに僕はいた
そして僕は知ってる
僕は君のところにいた
君は僕の一部分でもあるんだよ

そう
僕は君の愛無しでは生きていけない
そう
僕は君の愛無しでは生きていけない
ああ
僕は君無しでは生きていけない

ジュリアアあああああ
そう
僕は君の愛無しでは生きていけない
そう
僕は君の愛無しでは生きていけない
ああ
僕は君無しでは生きていけない

ジュリアア


るんるん

2. 晩秋
〜Late November


確かに晩秋すが”11月下旬”ではいけなかったのかな、邦題。
相当に寒さが早く到来した模様で、北風相州のからっ風吹き荒んでます。

ヒースクリフ、ヒースクリフ!

と嵐が丘で叫んでそう。
70’s前半、71年の日本ロックの匂いすら濃く。
世間と無縁で進んできたバンドがわかります。

3. ソング・ダンス
〜Song Dance


ドラムのマイク・サフロン君の作。これまた不可思議で、中華プログレになって炒められてる。
それすらもマトモに聴こえたりして。しかし何かにやはり打ちひしがれます。
徹底的に。

4. ファスト・ガン
〜Fast Gun


瞳孔開くイントロから再びサーカンプ君作。強いて言えばロクシー・ミュージック。
ですから2作目でアンディ・”ぷっぷくぷー”・マッケイ氏が呼ばれたのかな。

5. ナッチェス・トレース
〜Natchez Trace


リードギター担当のデビッド・スコーフィーナ君作です。
明らかに趣味が違ってまして、ストーンズだ。ローリングの。

B面



1. 地下鉄のスーの詩
〜Theme from Subway Sue


何とも傷だらけの天使な名曲です。強いて言えばエルトン・”まだふさふさの頃”・ジョン君。
背筋鳥肌なくらい同じ手口にヤラれる。それでもOK。サーカンプ君作。

2. エピソード
〜Episode


サーカンプ君作。下手すりゃ、ださまさしかいなって妙なるヴァイオリンで始まり、
また同じ手口。これだけ強靭な個性ですから変わっちゃおかしいよな、逆に。

3. 序曲
〜Preludin


ヴィオリン他弦担当のシーグフィールド・カーヴァー氏作のこれはもう真っ当なプログレです。
強いて言えばジェントルでジャイアント。跳んで跳ねる快感です。

4. すべての王のなかで
〜Of Once and Future Kings


間髪入れず終局に。サーカンプ君作。大作。もうこれでもかっ。
すべてを叩き込まれました。ここまで聴いてこれた方にはもうたまりまへん王国。
なのです。

この外道鬼っ子楽団・・・・
よく考えたら
アメリカでアメリカンゴシックな真っ当プログレるとしたらこうならねばならん
本道だと思われ、

カンサスが海洋大海原プログレの道進んだように

瓶の中の手紙

で有ったように

犬はやはりエドガー・アラン・ポー氏の道を進んだのかと。



それは土地に住み着く精霊のせいか、こちらは

楕円形の肖像




リジイア

モレラ

などのポー氏の短編の香りがします。

それで次のアルバムのジャケが

鐘楼の悪魔

さらに驚くべきは、今現在も現役との噂も。
サーカンプさん、まだこの声が出るのでしょうか?

(山)2010.3.3

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禁じられた掟(紙ジャケット仕様)

禁じられた掟

Pampered Menial

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ろっくす特製でかいジャケットのページ也。


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ろっくすパブロフス・ドッグのページ

資料

資料(英版)

English Version

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posted by 山 at 09:38| Comment(2) | TrackBack(0) | プログレシブ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ありがとうございます!

三十年以上前、ラジオから流れてきた曲、誰の曲かわからないまま、カセットテープに吹き込んでずっと聞いてました。
暑い夏でした。

年月が流れ、年を取りましたが、やはり好きなのはプログレ。
インターネットをするようになり、もしかしたらと思い、検索してみましたが、そのときはわからずじまい。
ただ、声の特徴からパブロフスドッグというバンドだということがわかり、ユーチューブも探しましたがその曲は聞くことが出来ませんでした。確か7年位前だったと思います。

そして今日、あれからずっと聞きたいと思っていた曲を、ここで聴くことが出来ました!

それは、“She Came Shining ”
Posted by よもぎ at 2011年08月08日 17:26
いやー、それは良かったです。
こちらもやってて良かったーと思いの、
嬉しいです。

ドッグっていいバンドですよねえ。
“She Came Shining ”
至高の歌です。
Posted by ヤマ at 2011年08月08日 22:29
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