2010年03月25日
サーペント・イズ・ライジング/スティックス 1974/2
サーペント・イズ・ライジング
スティックス
1974/2
あ、このレコジャケの苦情ですか?
それはちょっと置いといて貰って。
CSのFOXで、”ザット ’70s ショー”放送中です。
”アシュトン・Kの青春ハイスクール”とか無理くりのタイトルになったり、
今は”アシュトン・カッチャーのザット ’70s ショー”になってるのかな。
放送中です。
That 70's Show Singing "The Joker"
http://www.youtube.com/watch?v=JqFsMBAwCp0
相変わらずおもしれー。
前回は何とスティックスがフューチャリングされた回で、
主人公のエリック君が大好きで、廻りは大ブーイング。
”お前あんなバンド好きなのか?だせー”って。
それでもエリック君は地元にやって来るSTYXのチケットを買いに徹夜でプレイガイドで寝袋と共に。
けど朝寝坊しまして、焦るも誰も並んでおらず、アンタが初めてと言われる始末。
はい、ここで重要な事実が二つ発覚します。
一つは、Styxは、”スティクス”ではなく”スティックス”だったとゆうこと。
我が国ではあちらこちらで正しくはスティクスでスティックスじゃないと語たがり屋さんが得意げに語っておられますが。
正しいことが正しいとは限らず本当のことが本当だよ。
アメリカ人の出演者全員が公の場でそう発音してたんだから間違い無し。
やれ嬉しや。やっぱ”スティックス”じゃん。
そういや当時もKCケイサム氏はそう言ってたたもんなたしか。
そして二つ目、
やはりスティックスはバカにされた存在だったってこと。時はアルバム”グランド・イリュージョン”の頃で。
やっぱし。
三つ目は
レコードジャケットってやっぱ著作権お目こぼしモノだったのね。
やれ何かと訴訟だらけでうるさいかの国、この番組でも当時の曲は許可等が難しく滅多に流れません。
しかしレコジャケやバンドTシャツ、ポスターは平気で出てます。
良かったね。だいじょぶで。
さて、お話。
最後のオチは・・・書いてもいいわな。あれほどみんなは馬鹿にしてたのに全員レコード店でグランド・イリュージョンLPを万引きしてたってオチ。
実はみんな好きだったんです。
恥ずかしくて人には言えないけど実は好きなバンド。
判明しました。はっきりと。
良かった良かった。
これでコソコソと好きだって書ける。
そんな彼らがバカにされるほど有名になる前、デビューしたもののちょっとブレークしかかって喜んだものの、
再び失意のどん底に落とし込んだアルバムがこの3rdアルバム
サーペント・イズ・ライジング
〜The Serpent Is Rising
〜蛇が鎌首〜
1974年2月発売。前作の”2”が後に最初のヒットとなる”レイディ”を含んでまして、
まあ売れなかったものの手応えはあった。実際後年にはアルバムチャートで最高位20位。ゴールド。
希望がつながりやったねとなったけど、これはどーんと最高位192位ですから。
全メンバー最悪のレコーディングだと回想し、
大将のデニス・デ・ヤングちゃんに至っては
"one of the worst recorded and produced in the history of music."
「音楽史上、最も最悪な録音とプロデュースのものの一つ」
さんざんだよ。
そんなの買っちゃった。
3分30秒悩んだけど。見たこと無かったし。私だって蛇嫌いだよー。
あまりにも最悪なジャケですで、あまりにも最悪なので返って買いたくなっちゃった。
ところがでんがな
ところがです
針を落としてみたらこれが
カッキー
カッコいいよりベターなカッキー。
メンバーの回想は不遇でビンボの状況をも含まれていたと思われるもこのGAPはどうしてなんやろ。
それも聴いていただければわかります。
Styx The Serpen is Rising
http://www.youtube.com/view_play_list?p=7AF278B5AA947140
鎌首面
1. "Witch Wolf" (J. Young, R. Brandle) – 3:57
↑
妥協一切無しの大辛ハードロック。キレにキレてまして実にスティックスらしく無い。
あの”ブルー・カラー・マン”に匹敵。あれほどPOPじゃない分、ロックとしてはこちらがガチ。
ロックとしてナイス・プロデュースで、作にはこの盤で初めて曲作りで登場のジャイムス・ヤング氏の名前が。
2. "The Grove of Eglantine" (DeYoung) – 5:00
↑
「ノバラの木立ち」。大将のベヤングさんの作。あとでヒットする”ローレライ”の前哨戦。
充分にスティックスで、が、やっぱガチでロックなのでこれじゃあマジでカッコいいと言われてしまう。
それでは失敗だったりして。
3. "Young Man" (J. Young, R. Young) – 4:45
↑
ヒデキーのあの歌じゃありません。これまたジャイムス・ヤング氏。R・やんぐさんて兄弟かな?
ハモンド鳴り響くこれまたハードチューン。ユーライア・ヒープの後を継ごうとしてた節あり。
デ・ヤングさんのジョン・ロード氏ばりのすげえオルガンソロ有り。
4. "As Bad as This" (J. Curulewski) – 6:10
* "As Bad as This" - 3:45
↑この後、こうゆうことするのはお前が悪いんじゃとクビになりますギターのジョン・クルリュウスキ氏作大作。
それが意外にもアコギでアコギに展開するフォークな曲で。そりゃヒットはしないかもしれませんが。
* "Plexiglas Toilet" [Hidden Track] - 2:22↑「樹脂ガラストイレ」。メドレーで続くは隠しトラックって隠して無いすけどこれがびっくりです。
カリプソ。
バナナ・ボートみたいな。ってことはキンクスみたいでもある。お前、何を考えてるんだと避難されたは必定で。
だが聴いてるこっちとして面白過ぎて腹抱えて大喜びだよ。今となっては。特に。
尻尾面
1. "Winner Take All" (D. DeYoung, C. Lofrano) – 3:10↑
「勝者全部取り」。デ・ヤング氏が例の甲高い声でやりますインチキ・ビートルズ・マジカルでミステリーです。
悪いのか?これで。いいじゃん。ミスター・カイトのフレーズ丸出しだし。
ロックかPOPかの席の取り合いみたいで面白いし。
ギターソロに入るといきなしリッチー・ブラックモアさん乱入のようになって慌ててフェイドアウト。
2. "22 Years" (J. Curulewski) – 3:39
↑
クルリュウスキさん作のグランド・ファンクな大陸ハード・ブギー。
アメリカのバンドですからこのZZでTOPでドゥービーで兄弟なノリは当たり前です。
ハマってるのも当然。
3. "Jonas Psalter" (D. DeYoung) – 4:41
↑
が、ハマられちゃ困るのがデ・ヤング大将。ここで慌てて”太陽にほえろ”みたいなフレーズ・フューチャーの
正調スティックス調で逆襲を。が、何でかー。なーんでか。やっぱユーライア・ヒープになってね。
このギターソロがまたナイスなのです。唸りまくり。
4. "The Serpent Is Rising" (J. Curulewski, C. Lofrano) – 4:55
↑
クルリュウスキさん再び犯行。今度はブラック・サバスで攻めます。
タイトル曲だけ有りまして、その暗黒度は怒髪天。しかもやっぱカッコいいんだからわからんものだ。
デスでメタルな視点で言えば最高なのだから当然なことだかも。
ですが誰もこれだけ聴いたらスティックスだとは思うまい。
5. "Krakatoa" (J. Curulewski, P. Beaver, B. Krause) – 1:36
↑
意味不明の叫び&叫ぶ詩の会のただ怖がらせる1分36秒。
多分この盤のコンセプトを作ったとゆうチャック・ロフラーノって方の入れ知恵に違い無し
から間髪入れず
6. "Hallelujah Chorus" [from Handel's Messiah] (Handel) – 2:14
↑
”はーれるや、はーれるや、はれるや、はれるや、はれーるーやあああ”
のハレルヤです。ヘンデルさんの。
まさかクイーンを意識したとは思われぬけど、ここに来てこれは恥ずかしいの極地、変出る。
いくら恥ずかしいのがデ・ヤング大将の望みとは言え、これはーーーー
あのミスター・ロボットより赤っ恥かも。
これが多分、メンバーの赤面思い出の98%を占めていると思われます。
で、もしかしてハレルヤが無かったら・・・・
もしかしてデ・ヤング大将の反抗が無かったら
もしかしてハードロックバンドとして大成功して80’sには立派なメタラーになっておったかもしれない
つ
歴史ここに分岐点を刻む逸品。
その”分岐点”はほんの1年後に来るんだけど。その1年でかし。
ここがスティックスの三途の川の境道の入り口でした。
(山)2010.3.25
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サーペント・イズ・ライジング
The Serpent Is Rising
Serpent Is Rising/Man Of Miracles
ろっくす特製でかいジャケットのページ也。
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ろっくすStyxのページ
資料
資料(英版)
English Here
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結局内容以上に、クリュさんにいいようにやられちゃったことを、デニさん以下メンバーは悔やんでいる、と。確かに当時の写真を見ても、明らかにヒッピーというか、人として別ジャンルの人(失礼)が約一名混じってます。でもこの時期のスティックスてなにげに人気ありますよね。バンドにしてみればファンは残酷?なのかも。
アイランド時代のモット・ザ・フープルの風情でしょうか。