NPO法人ウルトラ警備団
第33回:世界大戦争(10)聖なる戦いにむかって
「いや、わたしも一応ヒーローですからね。期待されるのは嬉しいんすが、何しろ歳なもんで。
ほれ、こないだも。変身したら1分しかもたなかったでしょ。事実問題としましててね・・・」
じろ
じろ
じろ
「何、そんな。みんなで見つめて・・・。何か断れない雰囲気に。
ですからー。1分間しか変身できないとしますとね。
ここでジュワって変身して目標まで飛んでいっても途中で力尽きて墜落しちゃうわけですはい。」
「なるほd。ダンの言う事にも一理有るな。途中で落ちちゃっては意味が無い。
この作戦だけは絶対に成功させねば・・・・。
何か手はあるか、みんな。」
「うーん、とすると・・・ダンを核飛行機が飛んでるところまで送ればいいってことか・・・」
「送るってったって、肝心の飛行機が全部飛べないんじゃ・・・
そもそも飛行機が飛べれば、ダンさんの力を借りなくたっていいわけだし・・・」
「飛べないのは飛行制御にコンピュータを使ってるものだけなんだろ?」
「ああ。」
「それなら使ってない飛行機ならいいんじゃないか?」
「え、今時、PC、使ってない飛行機なんて・・・・あ、あるある〜〜〜。」
「あ、あるわ!たしかに。」
「え?どこなんだ。アンヌ、イデ?」
「ほら。来週からそこの国立平成公園で開催される予定の航空ショー・・・
あそこなら旧式の飛行機がうじゃうじゃあるんじゃない?」
「おお、灯台もと暗しだな。時間が無い。早速、出掛けて飛行機を借りて飛びたまえ。
さらさらさら
これをもって見せれば何とかなる。みんな頼んだぞ。」
はいっ!
っっっっっっっっっっっっっっっポインターで移動っっっっっ
「さ、着いたぞ。あれ、何かヒトケが無いな。」
「そりゃそうよ。開幕は来週からだから。
それにしても困ったわね。誰かいるかしら。」
「あのー、すいませーん。どなたかいらっしゃいますか?」
「何だね、君たちは。部外者が勝手に入って来ちゃ困るじゃないか。」
「わ、びっくりした。あ、あなたは大坂さん。いきなり大物登場でびっくり。」
「何でアンタ、私の名前を知ってるの。はともかくとして、アンタがた何か用かい?」
「我々、ご覧の通りウルトラ警備団の者ですが、緊急事態が発生しまして飛行機を貸して貰いたいんです。」
「飛行機って・・・何、藪から棒に。」
「今、飛べる旧式の、出来ればジェット機がいいんですがありますか?」
「まだ開幕一週間前だからねえ。まあ、あるにはあるけど・・・」
「え!あるんですか。」
「今、飛べるのは30年前の訓練用二人乗りのT22が2機だけだよ。」
「わ、それ最高。貸して下さい。」
「貸してくれって・・・。私の一存では・・・。」
「許可証あります。これで何とか。」
「許可証があるの?どれどれ・・・・
”お願いします。貸して下さい。団長より。”
って、こりゃ何だい。こんなのじゃ貸すわけにはいかんよ。」
「わ、団長、いくら時間が無いからってこんな手抜きの手紙を・・・
ええい、仕方がない。すいません。ちょっと手荒な真似を・・
失礼します。」
「わ、何だ、君たち。私をしばるのか?失敬な私を誰だと思ってる。
わー、春子夏子さくらあやめあまり、誰でもいいから助けてくれー。」
「すんません。我々が飛んだら自由にしますから。
アンヌ、アマギ、あとは頼んだぞ。」
「OK〜。」
「では、ポインターに積んできた超ハイパー燃料ウルトラエナジー65を給油して・・・
よし、皆さん、乗って下さい。早く発進しましょう。」
ぶろろろろろろろーー
「さよならダン、さよならー。私は貴方のことをけっして忘れないわあああ。」
ぶろろろろろろろーー
「おいおい、それじゃ別れの挨拶だよ。まだボクは残るつもりなんだけど。」
「それはそれ、これはこれ。ともかく発進!成功を祈ってくれー。」
つづく。
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2010年04月27日
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