2006年04月24日

Point of Know Return / Kansas 1977

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Point of Know Return
Kansas
1977


*アメリカン・プログレの東横綱と来たらカンサスだ。
カンサスと来たら「伝承」でんしょ。そして「すべては風の中に〜ダスト・イン・ザ・ウインド」。おお、完璧なシングル。
が入っていますアルバムがこの

「暗黒への曵航」

原題
Point Of Know Return


ノータリーンじゃ無し。マリリンモンローのーたり〜ん。
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問題です。「暗黒への曵航」、読めますか?多分「あんこくへのえいこう」だと思うが心配になってネット辞書を引く。うわ大辞林 第二版 (三省堂)には載っておらん。つうかどこにも。いや絶対えいこうだなB子じゃ無い。ネプリーグの「漢字でどかん」のコーナーでも俺はそう答えるぞ。
はともかく、76年「伝承」入りブレーク・アルバム「レフトオーバーチュアー」に続く、ノリに乗ってる天辺状態カンサスを監査する。なんちゃて。
ジャケを見てピンと来たら貴方は相当なファンです。エドガー・アラン・ポーの。
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「こ、これは」と小説題名まで即座に出たらすげえ。12分間私は悶えてあ、あれだ。「瓶の中の手記」だ。確か、難破した船乗りさんが、ある船に助けられた。助けられたはいいけんど、その乗組員は生きた屍のような連中ばかり。これは幽霊船か。ひたすら南へ南へと向かう。そしていよいよ果ての極地へとさしかかった時・・・・。その結末はここでお読み下さい。すらすらっと。読めるかー。えージャケのような状態になる訳です。怖いです。
そしてその状態を喝破した曲がアルバム・タイトルでも有り、1曲目の
「帰らざる航海」。
シングル・カットされ最高位28位にまで登りつめましたが、これはやっぱ「完璧なアルバム1曲目」だと思う。はたして内容はポーしてるのであろうか。
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私はその男達の話を聞いた
船長は言う
「報酬は沢山だぞ」
そして
「俺達は海切り開く船乗りを募集中だぜ、で今日出航だ。」
君なんだ 言ったのは
「どれくらいの時があるのか、どれくらいだ」

彼らは海はやたら暗黒に変貌すると言う あんたはその時を知っている その兆候がわかる
彼らはまた悪魔達が守護するところ、それが海の墓場だと
君なんだ 言ったのは
「どれくらい時があるのだ、どれくらいなんだ戻ることの出来る場所に到達するまで。」

お前の父、彼はお前が必要だと言った
お前の母、彼女はお前を愛してると言う
お前の兄、彼はお前の言葉を木霊する
「どれくらい遠く、どれくらい遠く、どれくらい遠く、
どれくらいなんだ戻ることの出来る地点に到達するまで。
戻ることの出来る場所に到達するまで
戻ることの出来る場所に到達するまで
おお、どれくらい どれくらい

今日私は海に浮かぶ手紙を発見したのだ 君から私への
君はそれを発見できた時に書いたのだね
君は恐怖で叫んだ その場所は近いと
君なんだ 言ったのは
「どれくらいの時があるのか、どれくらいだ
どれくらいなんだ戻ることの出来る地点に到達するまで。」
どれくらいだ 
 どれくらいだ 
   どれくらいだ

うーむ、上手く訳せん。no returnじゃなくてknow returnなのがミソだわな。てのはわかるけどそれがknow出来んのが辛し。ほぼポーの小説に沿ったものかと。しかしまあ、けっこう情けなくビクビクしてたりして。音だけだと勇壮極まりなく「俺は海の男だぜ」してますけど、強がりだったのかー。歌声はイーグルスのドン&フライ&バーニー&マイズナーさんたちを4で割って3賭けたようなスコーンと抜けるアメリカン。
プログレるには何か、相当の訳と事情が無ければならんと思いに思って、到達したのがアメリカン・ゴシックの父、エドガー氏の世界だったかと想像します。しかして、持ち前の好青年ぶりとブ厚いステーキを喰ってきた体臭はしゃあないねん。あんまり悩まないし。
好きなクリムゾン、イエス、ジェントル・ジャイアントの世界を猪突猛進ブギーな精神でぶっ飛ばす。
ここに、わー、楽しい楽しいと筋肉モリモリ男達が一緒に同じ模様の手芸を完成させておるような音楽が完成。やたら細かくてしかもサイズがでっかいぞ。
何かわかりやすくいようでわかりにくいような(^0^)。そんな米プログレの極地がこのアルバムです。
一発でやられる曲と繰り返しで威力発揮の曲が混在。
一発でやられる曲はカンサスの手を離れて世界に。繰り返しのはとてつもなくマイナー。

どれくらいなんだ 
 どれくらいだ 
   どれくらいだ
わかってくれる地点に到達するまで


(山)2006.4.24



でかいジャケットのページ

入手先参考(日本盤、アマゾン)

試聴はこちらで可能です(US盤、同)

すべては風の中に動画(最近のかな、ちょとやばい(^0^)でも元気)




The English translation page : here.
posted by 山 at 08:42| Comment(0) | TrackBack(1) | プログレシブ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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