2006年04月30日
So It Goes and Heart of the City / Nick Lowe 1976/8/14
So It Goes and Heart of the City
Nick Lowe
1976/8/14
*本日の「完璧なシングル」は
So It Goes and Heart of the City
ニック・ロウ兄さんの1stソロ・シングルだ。
パンクなるものがUKヒット・チャートに初めて登場したのが1976年の12月3週。36位でセックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」。ってあまりにもはまり過ぎて嘘みたいな話だがこりゃほんとでございます。
しかあし何事もいきなしつうのはあり得んことで、表に出る時には既に根っこは深々と地中で広がっているのだ。その前にさあ祭おっぱじめようぜとやらかした連中がおる。若きパンカーから見りゃ一番縁遠き爺さんミュージシャン達によって。キンキラキンのグラム・ロック時代を通じて、その正反対、格好なぞ丸で気にしない、俺たちゃ音楽だけで生きるもんねのバンドのマネージメントを一気に引き受けていた男が一人。その名もジェイク・リビエラ父さん。
そりゃもう終始イライラしっぱなしでございます。この世の中変。グラムも終焉に向かった75年にはレコード売上げも減少の一途を辿って、さあぶち切れた。幸いにしてお抱えバンド、ドクター・フィールグッドがブレーク。これなら行けるんじゃないかとジミ・ヘンドリクス氏の元ローディだったデイブ・ロビンソン氏と画策し、
400ポンド(当時25万円くらい?)をフィールグッズのボーカル、リー・ブリローちゃんから借りて、インディー・レーベル「STIFF」を設立したのだ。
しかあし、既にそのフィールグッズはUAと契約しており、同時に3番でエースだったグラハム・パーカー氏もヴァーティゴと契約済みだったもんでさあ困った。誰のレコード出そうかな。とにかく急いで出したいな。
あ、いた。
それはニック・ロウ兄さん。
早く気付けよ。
ジェイク氏はニックさんがおったパブ・ロックの横綱バンド、ブリンズレイ・シュワルツのマネージャーでありましたから、パーカー氏の1stも誰もやる人がおらなかったってとんでもな理由でプロデュースやってましたから。
あまりに身近で気が付かなかったか。
スティッフの本拠地はロンドン北のパースウエイと言う場所にある小汚い小スタジオ兼レコ店だったとゆう。
曲ならいくらでも持ってたニックさん、の1stシングルは
So It Goes
あまりに簡単すぎて訳せんじゃないか。「そう、行くぞ」てか。レコード番号は「BUY1」そう「買え1」。嘘みたいな話だけどほんとだ。
時は1976年の8月14日。リリース後2週間でアメリカで1位になったと宣伝す。
実際問題、この時スティッフは配給元を獲得しておらず。てめえのレコ店でのみの販売。だからよ英チャートにすら登場する訳無いじゃん。
しかし、そう行くぞ。始めなきゃ始まらない。
全ては歌詞の中にあり。
♪
僕はそのガキが自分の右手を切り落としたのを覚えている
あり余るパワーをちょっとばっかし発散するために
ヤツはでっかい図体の中に5千万ボルトの電圧を充満させている
今夜の警備はやたらタイトで
それでも、おお、連中は乱闘の準備完了
バックステージ・パスは大切に持ってな
だってお前のプロモーターは筋肉もりもりマンだからよ
さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
崩れ落ちかけたビルの中で
俺たちの国の首領(ドン)なんか罵倒三昧
サピンだかタイだかわからんとこから来たお偉いさん達は
一日中ロシア人と議論開催
しかあし、ヤツらは前進しておって、その計画を拒否
今や米国代表はでっかくジャンプ
彼は疲れた目を持つ男だ
深夜便の747
平和維持の任務から飛んで帰りやがった
さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
(ラブリーなギターソロ)
勘弁してくれの雰囲気が充満
蛇のペルシャ人の目覚めの中で
ヤツの腕には深々とくっきり刺青
彼女がヒステリーにどんなになりたがってるか、考えてもみろや
さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
さあ、行こう そう行こう
さー行こう そー行こう
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
でもそれでどうなるかなんか誰も知らねえ
♪
スティーリー・ダンのリーリン・イン・ジ・イヤーズが元ネタだって噂流すヤツおるがほんとかよ。ほんとだったりして。
そしてB面は
Heart of the City
パンクだろがー。歌詞を見れば
♪
街のど真ん中
そこはワニが歩き回るところ
オラいつ貰ったわからないようなものは失いようが無いよ
行き場所まるで無し
さあ俺は1分だって持ってない
背中に受ける罵倒を我慢する時間は
全く持って急がねば
戻ることなんか考えられぬわ
家を探しているんだ
今街のど真ん中で
街へ繰り出して
丘にだって繰り出して
恋する人を探す
探す探す あらゆるとこを
おわ、多分チャンスをゲットすんだろ
俺はクリケット風コチって音を聞いた
こりゃ神の啓示だわ
俺は彼女を発見
ストップ
チェック
とにかく速攻でアタック
俺は恋する人を探している
街のど真ん中で
探して探して 探して探して探して探して探して探してそこらじゅうを探してる
街のど真ん中で
おわ、街のど真ん中で
おわ、そいつは星々の一部だ
俺は音楽をかきならすやつらを発見
千のギターでもって
へい、うろついてるガキどもよ
ヤツらは肉を漁っている
ヤツらは既に掌中にあり
街で2つだけある価値有るものを
ヤツらは肉を漁っている
街のど真ん中で
そう、俺は言ってるのだ 街のど真ん中のことを
おいえ
ど真ん中 街のど真ん中
ど真ん中 街のど真ん中
♪
ギンギラギンに尖がってるぞ。
そのトンガリ・ニック兄さんが大好きだ。
ガキどもよ、お前らいい兄貴を持ったな。
1976年の8月14日の英国チャート。
1位はロングランでエルトン・ジョン&キキ・ディーの「恋のデュエット」。
36位に26位から落ちたTレックスの「アイ・ラブ・トゥ・ブギー」
39位で初登場はシン・リジーの「ジェイルブレーク」。
(山)2006.4.30
ろっくすニック・ロウ兄のページ
入手先参考(ベスト、アマゾン)
試聴はこちらで
ロックパイルと共に雄姿
↑楽しい仲間達と
The English translation page : here.
この記事へのトラックバック
キャーキャー!ニック・ロウ様大好きですぅ。私は、自分の中で彼のベストだと思うセカンドから入ったんで、このファーストは後追いで聴いたんですが、ついつい身体を揺すってしまいます。この方もクリスさんと同じ男気の匂いを感じさせます。「恋する二人」をカラオケで歌いたいと思っているざんす。当時、一生懸命歌詞覚えたもん。スティッフレコード、懐かしすぎです。またカンボジア救済コンサート見よっかな。
トンガリ・ニック兄さんが好きーって言ってるのにー(^0^)。
私は少し伝達がずれたものの最初からハマっちゃったんで、1STまでにもうメロメロ。
2ndは、ロックパイルのライブだーみたいに好きです。
「恋する二人」はライブでやろうとして成就しなかった苦い思い出込みで深く刻み込まれてます。