2006年05月13日

Night Moves /Bob Seger 1977/1/15

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Night Moves
Bob Seger
1977/1/15


*本日の「完璧なシングルを讃える会」は
ナイト・ムーブス
ミスター・ボブ・シーガー

の1977年1月15日TOP40ランクインの曲です。同名タイトル・アルバムのタイトル曲。北米の五木ひろし0-bob-nm5.jpg、又は中条きよしと呼ばれておるヒゲおじさんでござる。改名重ねて無いけど。全日本歌謡選手権10週突破で無いけど。顎に「苦労人」と書いてあるのをヒゲで隠しているよ。
生まれは北米ミシガン州デアボーンとゆうとこ。ミシガンといやあ名だたるハードなロックンロール地帯。ボブ少年も幼少の頃からこのヤクザな音楽にどっぷり漬かって、地域大都会デトロイトに夢を抱えて出て来ました。おん年16歳の時1961年。この激動の時代に高校なんて行ってらんねえよ。早速自分のバンド、デシベルズを結成。うまくいったか、いかなかったんだろなその後、近郊のこれまたロック町、アン・アーバーにお引越し、ビーチバムズってバンドで活動。うまくいったかうまくいかなかったんだろな、それでも見てる人は見てる。66年21歳にしてソロ・デビューです。最初のシングル「イースト・サイド・ストーリー」は地域で小ヒット、それからもいくつか小小ヒット飛ばした後にキャミオ・レコードってとこと契約。うまくいかなかった模様。それでも1968年に大手メジャー、キャピトルと契約できて、「ボブ・シーガー・システム」ってバンドを結成。これだけ難儀しながらも結局はここまで辿り着いたのはやっぱその百万ドルの声実力だからかもしれぬ。時は来たれり。デビュー・アルバム「ランブリン・ギャンブリン・マン」がついに全国ヒット。タイトル曲はチャートで17位まで上がる。そしたらさ、せっかく成功したのにボブさん音楽界を引退しちゃった。
ガキの時から音楽界にどっぷり漬かってその裏側の暗黒さを成功によって逆にまじまじ見てしまったか。
新生ボブ2号になるべく、大学に入学したのだ。いきなし向学心に目覚める。目覚めて出来ちゃうのがアメリカのすげーとこだな。
時は1969年、24歳の時。
ところが入った大学もつまらない。ああ、音楽やりてーとすぐさま復帰しちゃったよ。新バンドを結成して1970年に「モングレル」
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つう実にかわいらしいジャケのアルバムをリリース。アルバム・チャート最高位171位。次のアルバム「ブランド・ニュー・モーニング」。
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一転まったくかわゆくないジャケ。チャートに顔も出さず。
いかん。
そうなるとバンドも解散。ソロで72年にパラダイム・レコードから「スモーキン・O.P’S」発表。惨敗。73年に「バック・イン72」最高位188位、74年に「セブン」発表。2連敗。
にもかかわらず75年に古巣のキャピトル・レコードに復帰。「ビューティフル・ルーザー」アルバムを発表。最高位131位。
しかしまー、これだけコケにコケてるのによくまあ出せるなあ、レコードを。実際、音楽はもうこの時にはすっかりボブ・シーガーしてたのだ。もうちょっと何かが、それは何だろ。時代の要求かな。それは周囲も本人もわかっていたことなのかもしれぬ。
手ごたえはある、負けないぜとばかりに、その盤のレコーディング・メンバーでツアー・バンドを結成する。これぞ名だたる”シルバー・ブレット・バンド”。全米諸国を地獄のツアー行脚開始。その鬼神のライブが評判を呼び始め76年に地元デトロイトで録音したライブ・アルバム「ライブ・ブレット」が最高位34位の大ヒットす。
時は来たれり。
このパターン、どっかで聞いた様な気がするなあと思たら、同郷のキッスそっくりでは無いですかい。
ロックはライブだの時代。そしてそうして直に触れて実力を認めねば聴いてはくれぬ、厳しく耳の肥えた聴衆のいた時代。
楽には成功出来ません。
さー、後は何が必要か。
それはキラーなシングル・ヒットだ。
冥府魔道のロック道歩む男が選択した手は、次のアルバムのマッスル・ショールズ録音。一緒に歩んだメンバーにはキツかったろうな。
しかし音楽は非情のライセンスなのだ。
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そこから出ました再デビュー以来、初のブレーク・シングルこそ
ナイト・ムーブス。
五木ひろしが「横浜たそがれ」0-bob-nm5.jpg、中条きよしが「うそ」0-bob-nm5.jpg
そしてボブ・がーしは「夜行便」。
さー、非力英語力を駆使して自力で調査したこのプロフィールを踏まえた上で聴いて下さい。ボブさんどーぞ。

俺はちょっとばっかし背がでかすぎた しかし痩せぎす
きついズボンぴっちり あそこもっこり まったく無名
アイツは黒髪の美人さん でかい黒い目をしている
どこであろうと100点満点ゲット出来るナオンだ

とうもろこし畑の先、森深くなったそこ
俺の60’sシボレーの後部座席を抜け出して
根拠無し自信で、ミステリーに挑戦
俺は夜にうごめく
ドライブ・イン・ニュースの表紙を飾るために
俺は夜行便で奔走
夏のことだ 甘い夏の季節のこと

俺たちはお互い恋してなんか無かった 程遠い話
俺たちは虚空に浮かぶパイみたいなものなんか探して無かった
ただただ若く、落ち着きなしで、退屈してただけ
刃と共に暮らすこと
逃げ出すことだけ考え あらゆるチャンスをうかがって
舞台裏に、路地に、マジな森に向かって
俺はアイツを利用し、アイツは俺を利用し どっちにしろ知らねえけど
確かに俺たちは何かを持ち合っていた

俺は夜にうごめく
やっかいな十代のブルースを喪失するために
俺は夜行便で奔走
夏のことだ 甘い夏の夏の季節のこと

そしておー 不思議だ 稲妻を感じた
俺たちは落雷を待つ
落雷を待っていた

俺は昨日の夜、落雷の音で目覚めた
どんなに遠く 俺は座っていた うろたえて
62年の曲をハミングし始め
おかしくは無いさ 夜の出来事がどんなだって
お前が損得同じくらいかかえてると思ってしまったとき
夜の出来事は奇妙
秋は日ごとに短くなる

夜のうごめき
夜のうごめき
夜のうごめき
俺は覚えている
夜のうごめき
夜のうごめき
おーおー、まいったこりゃ、うーうー、
俺は覚えている 覚えている 俺は

えー、わかりましたか?へい、わかりませーん。わかんなくていいんだよな。夜のうごめきだから。
めくるめく。
根拠ありありの声で放たれる単語の響きと言葉の意味の雷光。
そしてこの名人芸演奏。
ずうううっとツイて無かった男がハマりました。
マッスルショールズ。
同時にそこを目指したヤツがいた。
海を渡った島から来たロッド・スチュワート人。
同時に出会ったのがギターのミスタ・ピート・カー。
その甘い夏の音を出す。
俺はしっかり覚えている。

(山)2006.5.13

入手先参考(ナイト・ムーブス、アマゾン)

ベスト盤(同)

ベスト盤リリース時のビデオクリクリ

*
中条きよし氏探索中、こないな凄い盤見つけました。

マダムキラー赤坂編
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1.ブランデーグラス(石原裕次郎)
2.夢芝居(梅沢富美男)
3.うそ(中条きよし)
4.昔の名前で出ています(小林旭)
5.すきま風(杉良太郎)
6.くちなしの花(渡哲也)
7.時には娼婦のように(黒沢年男)
8.赤毛のおんな(三田明)
9.有楽町で逢いましょう(フランク永井)
10.コモエスタ赤坂(ハニーシックス)
11.愛のメモリー(松崎しげる)
12.いとしのマックス(荒木一郎)
13.泣かないで(和田弘とマヒナスターズ)
14.グッド・ナイト(フランク永井&松尾和子)


濃いです。
日本のナイト・ムーブス百科。


The English translation page : here.
この記事へのコメント
ボブ・シーガーいいなあ。いぶし銀の場末ロッカー。
やる気のないラーメン店にあるギト付いた「ギターを抱えたサイン入り張り紙」のスターのようでもあります。
僕は、アルバム「ナイト・ムーブス」から知りました。日本じゃこれでも良い方のファンじゃない!(変な自負)
昔の記事をTBします。

Posted by moondreams at 2006年05月13日 12:27
>日本じゃこれでも良い方のファンじゃない!
??。ナイト・ムーブスで、ブレークしましたので、そこから知るのは自然だと思うのですが。
私もそうです。当時はそれでも全米TOP40くらいでしか、ラジオでかからなかったんじゃないかなあ。
聴きだす時期は、どうしょもない生まれ時期ってのがありますから。それに縁もありますし。要は好きになったら、いつのことであろうとみんな素敵なファンじゃないかと。思います。

深く知ってようと、浅く知ってようと、これまた好きならみんなOK。

TBはすみません。
何しろスパムが偉い数なもんで、仕方なく「認証」方式にさせて貰ってます。
そうするとチェックするする時間が無くて・・・。
反映が遅れてしまいます。
申し訳ありません。
Posted by 山 at 2006年05月13日 22:44
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奔馬の如く
Excerpt: Against the Wind/Bob Seger&the Silver Bullet Band(1980) 俺は、ボブ・シーガーが好きなのさ 誰それ?といわれるようなロック・シンガーだが。 苦節..
Weblog: 五叉路のグラフィティ
Tracked: 2006-05-13 12:31

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