2006年06月20日

Am I Evil / Diamond Head 1987(1979)

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Am I Evil
Diamond Head
1987(1979)


*今週も週刊ヘビメタタイムス改め週刊リフ三昧の時間がやってまいりました。創刊号は定価1542万円のところ無料。特典でナマハゲTシャツは付いてません。編集長代理補佐の山です。
では記念すべき666号の特集は

アム・アイ・イヴィル
ダイアモンド・ヘッド

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だ。誰だ。既に本誌223号特集「ヘビメタとは何だその2」と444号特集「何だヘヴィメタとはその6」でホワイト・スピリットと共にツバつけておいたバンドです。出やがった我が前に。ツイてるぜ。
とはいえ、何だこの盤は。いささか正体不明。唯一の情報源は先輩とあがめ曲をカバーしたメタリカの「ガレージ・インク」アルバム。
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そのライナーによりますとDHはウエスト・ミッドランドのストアブリッジ出身。

ああ、あそこか。・・・ってわかるか。

そこです。結成は1976年、バンド名はフィル・マンザネラ氏のソロ・アルバムから。
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NWOBHM新波英国重量鋼鉄のムーブメントで日の目を見たと思ったけど思っただけで今に至る。
メンバーは
Sean Harris - vocals, guitar
Brian Tatler - guitar
Colin Kimberly - bass
Duncan Scott - drums

の4人組。
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さてこの「甘いイビリ」盤は何かつうと、世にホワイト・アルバム
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として流通してるCDと同時期、デビュー・アルバムに備えてのデモ音源から8曲のものだと思われます。試聴の結果。デモだからつうて侮るなかれ。余計な手を加えてない裸の実力が呈されるのだ。
もちろん予算無さそうです。ほぼ一発録音の緊張感ばりばり。あと5分で終わっちゃうよ、そしたら追加料金だよ。そしたら今晩メシ抜きだよ。マルイでキャッシングだよ。80’s初頭のバンド野郎の嘆きが聞こえる。当時そんなヤツラに金を貸してくれたのはヤバイところ以外ではマルイさんしか無かったのだ。親に電話される。
1曲目はタイトル曲
アム・アイ・イヴィル?
「俺は悪いか?」マルイか?では無い。先のメタリカもやっておったつう代表曲である。いきなし水戸黄門リズムぼれーろで壮大なる大スペクタクルで始まる、しかし本物オケストラであるはずも無くシンセかはたまた何だこの音はの不思議なインチキ弦らっぱ音。呑気に「人生楽ありゃ楽太郎」なんて歌ってると、ライトハンド奏法及びハーモニクスとともに鬼のリフ鬼どもが襲い掛かる。そこにややか細い声のシーン氏の歌声。切々と。
メロディ無いのにメロディックとゆう。
このラインはパンク/NWだ。
ここに主張いたします。このバンドはキリング・ジョークの同僚です。前にも書いたか。あの1stアルバムでドカンとやられた方なら同様の動揺をこの音で受けるに違いなし。あちらはメタル感覚をあっちにひきづりこんだ。こっちはあっちの感覚をメタルにひきづりこんだ。
表裏一体弱肉強食得者勝利焼肉定食。
同じ時代に生きたんだから当然かもしれぬ。こちとらも同じ時代に生きたからびんびん来るわ。
と思わば
2曲目
ヒート・オブ・ザ・ナイト
ではいきなし、サヴァイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」くりそつとなって別な意味で動揺する。しかしてこっちはロッキー102のテーマとなるはずもなし。
とにかく真面目です。これやること以外何も考えて無い。売れる以前にロックバンドやる連中はそうゆうものだ。

3.のドンチュ・リーブ・ミーは先の特集「何だヘヴィメタとはその6」の「フライデイ・ロック・ショー」アルバムで馴染んでた曲。全く同じヴァージョンに聞こえ。胸掻き毟るハード・ロック・バラード。エフェクターも満足に買えない貧乏鋼鉄さんだったと見え、アンプ頼みのナチュラル・ディストーションで親父はやられる。
これに限らず、楽器の音がここに聞こえるのだ。あるか今、こんな当たり前の楽器の音が聴ける盤が。
今は貧乏なバンドほどデジタル通過になってしまってるのでは無いか。
同じく極めてギリギリの状態の中で悶えリフ交錯するミドル曲のボロウド・タイムでA面は終了。

で、これは・・・これは・・・やばい・・マジでえらいバンドだってのは
B面ではっきりとしてくる。
1.の「地獄から天国へ」。ほんとに地獄に片足掛けてるかのような声が。シーンさん、フリーが好きだと思え。ライブではバドコのグッド・ラヴィンをカバーしてるし。この細い声であの情念ヴォーカルに取りつかれてる。後半は失敗許されぬハイテンポやややこしいリフで疾走。

2.は代表曲「デッド・レコニング」。
6分22秒。ピシと切り良く止めるべきNWOBHMの中でみんな長尺の曲ばっか。展開のなだれ込みはバズコックスと同様のスリルが。
これで燃えるはやっぱパンカーの血入りの方々です。ロッカーにはその血がみんな入ってるはずだ。
全速で走りきればいいものの、そりゃどうしょもない性(さが)か、わざわざややこしいリフかましギリギリ状態に己追い込んでやがる。

3.ライトニング・トゥ・ザ・ネーションズ
シャッフルです。高速の。と思えば超スローになったり、いきなりまた高速。づどどどどどどどどどってその快感たら。快感会館で水風呂でビールてえもんだ。熱いの冷たいの同時に。辛いのと甘いの交互に。

4.サッキング・マイ・ラブ
このラストで完全にやられる。まずはドラムの音。鬼千匹がお互いに張り手かましてるような。手製ゲート・ドラムだに。低予算でどうやってこれ出せたのか。音の神様が味方してくれたか。その激音に乗って総決算のリフ台風と嘆きヴォーカル。嘆くも湿り気まるで無し。嘆くは冷たい視線で無ければ。9分29秒。すげーすげーとわめいていたらその前半はでっかい前フリだった。PILの如き混沌中間部から怒涛のラストへ。

すいません。編集長代理また興奮してしまいました。
今なお現役で嘆いているとゆうダイアモンド・ヘッド。浮かばれぬパワーがその源なのでしょうか。

(山)2006.6.20



入手先参考(ホワイトアルバム、試聴可能です、アマゾン)

アンソロジー盤(同



ダイアモンド・ヘッド動画集

In The Heat Of The Night

Metallica & Diamond Head - Am I Evil?

Diamond Head - Glasgow - Feb 2005 - Truckin'

Am I Evil? - Metallica (Live 1989)




The English translation page : here.
posted by 山 at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘヴィ・メタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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