2011年04月14日
クック=ライヴ・レコーディング/P.F.M. 1974/8 Cook - Premiata Forneria Marconi
クック=ライヴ・レコーディング
P.F.M.
1974/8
うわ、蛇鍋。この世で最も食したくないもの。1億円くれても喰わない。
いや今なら喰うかな。125万くれても喰うかな。でもあれだぜ、まだ生きてるし。
この状態だとちょっと。
血迷っている場合では無い。
しかるに毒食わば蛇までの音楽であります。
イタリアの誇るウルトラ・プログレッシブ・バンド、
P.F.M.
略してプレミアータ・フォルネリア・マルコーニ。
Premiata Forneria Marconi。
意味は”フォルネリア・マルコーニを獲得すること”。
”フォルネリア・マルコーニ”とは何なのだと問われれば
・・知らん。
こやつらがやろうとしてやったことに違いなし。
来る1974年8月22日トロント大学のホールで行われたライブの模様と
8月31日のニュー・ヨークのシェファー・セントラル・パーク音楽祭での演奏を収めた
ライブ盤、
それが
クック=ライヴ・レコーディング
Cook
1975年1月25日日本発売。
ちなみにこの喰えんジャケとタイトルは国際仕様で、本国では”Live in USA”と普通で地味穏便仕様でございます。
世界への”てめえら、煮るなり焼くなり勝手にしやがれ”の挑戦状か。
はたしてとんでもねえことになっております。
世にプログレつ世にもややこしき組んずほぐれつ音楽所属ロックがございますが、
その中でも最もややこしく組んずほぐれつしておるものだござる。
誰に頼まれたわけでもないのに。
この連中たらこりゃ日に練習スタジオで23時間23分練習を重ね、その他個人練習を日に15時間67分した証であろう。
やったからと言って、一生これで喰える保証も無く、もしかしたら時代の徒花かもしれんのに、
クラシックみたいに名人になりゃねえ、先生になれますけど、
これですとせいぜいプログレ先生です。
21世紀になると貸しビルの2階の事務所に部屋を借りて教室を開きますが、
机にポツンと一人座って、そのうちメンバーが集まってきて”昔はなあ”とか日がな一日茶をすすってるかもしれないのにです。
すなわち
これが青春だ!
やりたいことを見つけ、同じ志を持った友を見つけ、何の迷いもなく猪突猛進、喰うのもひるのも忘れて没頭、
しかもそれを楽しんでくれる聴衆のいる時代に、あろうことか世界を駆け巡り開陳できた。
これを幸せと言わずして何をしあわせと言うのでしょう。
どこかの誰かの道なき人が、ポツリと
「幸せっていったい何なんだろうなあ。」
と漏らしましたら、
妙な宗教団体に連れていくことなどせず、
「ここにあるぜ。」
とお示し下さい。
耳をポカンとして
「どこが?」
と聴かれるでしょうが、そのときゃあ
どうすりゃいいんだ。
ウンチクは無意味だな。熱弁逆効果。
何しろこいつら猪突猛進目もくれず突進ですから、人の耳のことも考えずどんどんあっちへ
”フォルネリア・マルコーニを獲得する”ために行っちゃってるから、
こっちも日がな49分58秒、耳の修練をせねば、何をやってるんか終わっても覚えてないよ。
だが
何だかわからんがすげえとはわかります。
とんでもねえことを真剣に実に楽しそうにやってることだけはわかる。
これこそが幸せです。
幸せつうもんは実にいいもんで、しかもなかなか無いもんですから、
これは貴重な範にせねばならない。
頼まれもしないのに
一文の得になるかならぬかわからんのに
とくかくやりたくてやりたくてたまらんからやった。
これこそが人類の為すべき理想の仕事とゆうべきものであり、
そんなことたまたまこいつらが出来ただけで、仕事ってのは辛くて嫌なもんだよ。
そう申さずに、諦めずに、だいたいそれを基本にしてなきゃおかしい。
実際、こうして徹底的にやりやがった奴らがいるのだ。
出来んわけはない。
A面
1. 原始への回帰
- Four Holes in the Ground (7:26)
うんぱらぱー、ぱらぱらぽー。すたたたたた。
ぎゅわーん。どでででで。
2. 何処...何時...
- Dove...Quando... (4:43)
http://www.youtube.com/watch?v=1LaP0ffgrYQ
3. 通りすぎる人々
- Just Look Away (8:47)
とててん、とててたらつとららん、じゃんごじゃんごじゃんごじゃんご。
澄み切った空に向かって爽やかな歌声、ちょっとXXX我慢してたのか音程揺れるけどそれくらい穴が無いと可愛くないしょ。
4. セレブレイション〜甦る世界
- Celebration including "The World Became The World" (8:35)
祭りだ祭りだ祭りだゴッホ。これぞ世界で名だたる祭音楽、そう歌ってるのだから間違いなし。
B面
5. ミスター9〜5時
- Mr. Nine till Five (4:31)
http://www.youtube.com/watch?v=9uiVb96zyiU
図面屋の求人募集ですと、「月残業30時間以上」とたいてい書いてあります。実際は”ミスター9−9時”です。
内容の壮絶さはこの曲に匹敵しますが、喜びは、今は皆無だなあ。荒んでるから。人心が。疲れ切るし。連鎖で。
やりがいと達成感をお互いに讃えられる心の余裕と人間関係を構築出来る環境の世の中になったら同化出来るでありましょう。
6. アルタ・ロマ5〜9時 〜ウィリアム・テル序曲〜
- Alta Loma Five Till Nine including PFM's arrangement of Rossini's "William Tell Overture" (15:52)
http://www.youtube.com/watch?v=1dsWxcwOBzE
タイトルも長いが、演奏も長い。
我慢して15分、お聞き。
最後にはすげえ楽しいのが待ってるから。
お楽しみに。
相当な
カタルシスが貴方をお待ちしております。
これを聴き切ると言うことは
貴方も演奏に参加すると言うことなのです。
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(山)2011.4.14
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クック(K2HD/紙ジャケット仕様)
Cook
クック
ろっくす特製でかいジャケットのページ也。
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ろっくすPFMのページ
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