2006年07月02日
Low Singles / David Bowie 1977
Low Singles
David Bowie
1977
*本日の「完璧なシングル」は
デビッド・ボウイー
ロウよりのシングルをば。
時は1977年年明け早々、出ましたアルバム「ロウ」。そして2月4週に英国チャート20位で初登場、最高位3位まで登りつめたはシングル
サウンド・アンド・ヴィジョン
最長でも3分26秒の曲だっつうA面。考えてみりゃあ全部シングルに出来まっが、考えたことも無かった、カットして、しかもヒットしたなんて。しかもその時期と位置。知ってしまうと途轍もなき意味が有ります。前年暮にセックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・UK」がチャートに乱入、地下で脈々と起こっていたことがついに明るみに出た。それだけなら一介の風変わりな嵐かと忘れることも出来たやもしれん世間様に強烈な一発。しかもそれやったのがボイ様てんだから、こりゃもう何かが起きてるって認めざるを得ないよ。で、タイトルが
サウンドとヴィジョン。
ロック界最大のハッタリ大王様とは言え、これほどはまった事は無いのでは無いでしょうか。あまりのことに3位までこれが上がるてのも。
そのサウンドのヴィジョンはずばりニュー・ウエイブでござる。パンク1号の後にすかさず次のを。時代と共に真剣に生きていたからこその所以か。ファンクとレゲエをざっくり混ぜたようなビート。左右に分けられたハイハットが時計仕掛けの俺ん家みたいになってからに。一発録みたいな野趣溢れるファンキー・ギター。太い幹のようなベース。バランスは歪んで歪んでいる。絶望的且つ妙に明るいストリングス・シンセ。野太い舌みたいなサックス。
で前歌が有ってサビコーラスが有ってってゆうPOP歌法則まるで無視でして、これをシングルとして聴くとあまりのあっけなさに呆然とするやよ。
言いたいことだけ言って帰っちゃった。みたいな。
♪
あーあー あーああ
ドゥードゥどぅどぅるる ドゥードゥどぅどぅどぅ どぅるどぅ
時々不思議に思わないかい?
サウンドとヴィジョンを
青 青 エレクトリック青
それは私の部屋の色
私が生きるであろう
青あお
一日中降ろされた青ざめたブラインド
私達が過ごし始めたあとに
青あお
私は隣に座ります サウンドとヴィジョンの贈り物を携えて
あなたを救いましょう、サウンドとヴィジョンの贈り物でもって
私の孤独を頭上に持ち上げて
時々不思議に思わないかい?
サウンドとヴィジョンを
♪
終わりかい(^0^)。「含蓄」つうのがロウの大テーマです。どっちかってゆうと多弁な歌手ボイさん。元々英語ってのは一単語一音てのが可能だから。日本語だと「わたし」のとこ「what i mean」とか入れられちゃう。それだけに一つ歌に羨ましいほどの物語を込められちゃうけど、逆に言いたいけどそこまでは言いたくないって時にそれが邪魔になってるんじゃ無いかと思うときあり。説明過多つうか。
それはよく他民族ひしめき合う欧州、アメリカで誤解されると命にも関わるってんで、必要からそうなったとか聞く。我が国なんかはだいたい同じ様な生活してるから曖昧でも何とか通じるとか。実際は最近はアメリカ同様、曖昧にすると命に関わるんだけんど。余裕無くて相手がどうゆうつもりでそれを言ってるのか考えることが出来ず。ネットなんか特に。だからくどく説明するかもしくは誤解を受けるの覚悟の上で書かねばならぬ。
その時代に聴くロウ。
行間を読むことを聴き手に意図的に徹底的に要求する始めての洋楽かもしれません。
このサウンド・アンド・ヴィジョンなんか最たるもの。歌と音と会話のように。その歌って無いところで何を歌ってるのか、各々が見なければいかんつう。しかもあっとゆうまに終わるから、曲が終わった後も思い続けてしまうって。
不完全な故に完璧なシングルかも。
アルバムだと続けてまた一句行くから、別な感慨あり。
で
次のシングルは
ビー・マイ・ワイフ
これがどうしたことか本国では全くヒットした気配無し。日本でのみのカットなのかな。多分そうかと。何でだ。日本でだけなら何故許可したのか?うーむ。
ピアノが効いてます。ホンキー・トンク・ピアノ。きゃらきゃらと終始鳴り響く。そしてスライド・ギター。となるとやたら古いサウンドとなる運命になるかと思わば、ヴィジョンが違うので、んなことにはならない。それはもうえらいことです。
♪
時々君はとっても孤独になる
時々君は居場所が無くなっちゃう
僕は世界中に住んでいるんだ
僕はどこででも生きている
どうか僕のものになって
僕と一緒に人生を
僕と一緒にいて
僕の奥さんになって
時々君はとっても孤独になる
時々君は居場所が無くなっちゃう
僕は世界中に住んでいるんだ
僕はどこででも生きている
どうか僕のものになって
僕と一緒に人生を
僕と一緒にいて
僕の奥さんになって
時々君はとっても孤独になる
♪
これでももしかしたら言い過ぎとか思ってたりして。だとすると
♪
君ひとり
居場所無し
俺はいる
どこにでも
頼む
一緒に
妻におなり
君ひとり
居場所無し
俺はいる
どこにでも
頼む
一緒に
妻におなり
君ひとり
♪
かな。男ロック歌の真髄、甘えたさんの真髄だけ、本音一直線でございます。
プロモフィルムのボイちゃんの表情がまたワンダホル。とぼけてて。
こんなん言われたら「はい、なります」つう人が世界中に7万2千512人くらいいるんだろうな。
そしたら「うそぴょーん」って逃げたりして。ははは。
ロウ内、他の歌もいずれ全部自力で訳したいな。
(山)2006.7.2
ろっくすボイちゃんページ
でかいジャケットのページ
入手先参考(日本盤、アマゾン)
試聴はこちらで(US盤、同)
ロウよりの動画
Sound and vision live
Be My Wife
↑プロモ有るってことはシングルカットしたのかー???
Be my wife live
The English translation page : here.
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック