2006年08月14日

What a Blow / Ian Gomm 1980

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What a Blow
Ian Gomm
1980


イアン・ゴム〜バチっ、あ、血だ。じゃ無くて。何と申しましょうか、
元ブリンズレイ・シュワルツ。パブロックといやあブリンズレイの2ndギタリストにして2ndヴォーカル&コンポーザーさん。
あのニック・ロウ氏の「恋する二人」の共作者。んでもってスティッフ・レーベルで唯一(たしか)全米TOP20内にHIT飛ばした男。
と申してもその方面に関心の無い方には何じゃそりゃの存在かとも思われます。
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実際ご本人もブリンズレイ解散後、どうにもこうにもこの殺伐としたパンクの世では音楽稼業やっていく自信が有りませんと自主制作で1stアルバム「サマー・ホリデイ」を出した模様です。もう最後かもしれぬと家族の写真満載で。もーアット・ホームで。もう最後かもしれぬと歌う眼差しは音楽の神様に真っ直ぐ。凄いアルバムでした。ガッコの近くのパイドパイパーハウスで見つけて微妙に高い英国盤にしばし躊躇しながら、ええいと買って、家で聞いたらバチはまり。これぞ俺が求めてた音楽だと聞きまくり、そしたらまー、パンク熱感染によりちょっと熱が醒めかけてたラジオ関東全米TOP40にその中から極め付け「ホールド・オン」が入って来た。って1stで書かせて貰ったことと同じこと書いてるよ俺(^_^;)。
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それほどびっくらこきました。それが79年の10月の出来事で、その前の8月に件の「恋する二人」がチャートインした時もびっくりしたけど。そちらだって最高位12位。ホールド・オンは18位。作曲家として2曲ものチャート曲持ちだ。
さぞかしご本人も仰天したかと
それで2ndアルバムは
「おう、何てこったい」
と訳すのでしょうか。もしくは「ぎゃ、ぶっ飛んだ」。
俄然やる気になって、色気持っても何の不思議もありません。もしかして家族にも長年の苦労を報いることが出来るかもって。
歌う眼差しは今度は全米の民に向かってるぞ。
こっちもえりゃあ楽しみに2ndだーって飛びついた思い出有り。それで遭遇したのがその歌う眼差し。
こちとらも若かったもんで、あの無欲なとこが良かったのにー。違うよゴムさん違うよーってがっかりしてしもうた。
今は違います。それくらい当たり前だよなあ。って。長年の苦労で、そりゃお金だって欲しいし、何よりやっと聴いてくれる人がもう桁違いに増えたてば、それくらい上ずったってさ。それまた正直で素敵じゃないか。
音楽はもう変えようがありません。
ロックンロールでPOPでチャーミング。
製作も同じマーティン・ラシェント氏。バズコックスでパンクでも直球POP職人かました方だ。
ミュージシャンも純正英国布陣す。ベースに名手ハービー・フラワーズ氏、スティール・ギターにはBJコール氏も。ハービーさんは1stの時も参加で、その時はギャラなんて考えなくていいよー、って感じだったと思う。ゴムさんの人徳、ハービー氏の男気。つうか貰える訳無いわなーって諦めてたかも。恩返しも今回多分出来ました。良かった良かった。
しかあし、アメリカってとこは英国も摩訶不思議ですけんど、別な意味でヘンテコ。ゴム氏が受けたんじゃ無くて「ホールド・オン」って曲がウケたんだよなあ。おそらく誰がやってるかなんて8割方の人は意識してなかったかも。
なもんで、見事にずっこけました。せっかく向いて歌ったのに。連れないのね。俺同様、だからだったりして。すまんです。
何しろ小細工なぞ出来そうに無い方なんで、モロ「ホールド・オン」二匹目のドゼウのイントロのジェラシーとかやっちゃってこちらもハラハラする。それがまたいい曲で。
AORもやりますから喜んで聴いて下さいの「ヒア・イット・カムズ・アゲイン(ザット・フィーリング)」。0-0-0-0-gomm07.jpg
もう一回、こちらに参りました(あの感じです)・・・なんてまー。
カバー曲が有ります。これもシングルで挑戦した模様。
スロウ・ダンシング。
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イーグルスの「ピースフル・イージー・フィーリング」の作者、ジャック・テンプチン氏の曲で、後に作ったファンキー・キングスのアルバムでやってました名曲です。77年7月からジョニー・リヴァースさんが「スウェイン・トゥ・ザ・ミュージック」のタイトルで最高位10位のヒットといたしました。何だかんだ言ってきゃあきゃあ喜んだのだ。大好きな曲だったから。やっぱし同じ趣味だったのねーって。
でも、77年だもん、2年後のカバーは早過ぎるよー。つうか中途半端に遅いてゆうか。いくらなんでもヒットは難しいっす。
不器用なのだやっぱ。
本国ではアメリカで先にヒットしちゃったせいで、元より相手にされて無かったし。
それでもまあ、やっぱし良かった「ホールド・オン」のヒット。
おかげで辞めないでくれたもん。
この後は再び自分のレーベル「アルビオン」で、もう一回音楽の神様に向けて歌う。
1stのあの奇跡も、この2ndのきらびやかさも無いかもしれないけど、ゴムさんはゴムさんで、たまらないアルバムを続けて出してくれました。
そして今や一番その音楽を愛してるかもしれませんのが、この日本。
願うべきはマニアック方面での愛好にならぬことだけんど、これは胸を張ってえばっていいのだ。だー。

(山)2006.8.14


ろっくすゴムちゃんのページ

でかいジャケットのページ

入手先参考(日本盤、アマゾン)

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ベスト盤(日本盤、同)

ベスト盤(UK盤、同)

ゴムさんのHP(試聴も出来ます)


Brinsley Schwarz -Surrender To The Rhythm
↑ロウさん、ギター若い!ゴムさんベース!ダブル鍵盤!




The English translation page : here.

posted by 山 at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | パブ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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