2006年08月17日

Hard Labor / Three Dog Night 1974

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Hard Labor
Three Dog Night
1974


昨日あんなにかわいいジャケの砂山で、今日がこれでは人格疑われてしまいます。俺のせいじゃないよー犬3匹が悪いんだよう。これぞヒット王

スリー・ドッグ・ナイト1974年作
ハード・レイバー。

人の曲ばっかやってさー、ヒット連発してさー、随分楽してるじゃないのって揶揄されたのかもしれません。そんなあ大変なんです産みの苦しみってんで
ここまでやっちゃった大コンセプト・アルバムだ。表ジャケは・・産み・・です。オリジナルにはバンドエイド貼ってありません。洒落になりません。こんな大メジャー・バンドがあ。なんつうことを。最終的に上層部がOKしたのは、駄目なら辞めちゃうぞてメンバー全員が脅かしたのでしょうか。裏ジャケは逆にロック史に残る美しさ。
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フェリーニ映画みたい。中ジャケにはレコード・レーベルのとこがくり貫いてあって皆でそれを支える姿。全員で発狂している録音風景、さらには録音トラックメモの紙入り。もう徹底的に「重労働」主張しとる。
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ただでさえ豪華なのに日本盤LPではステージ写真満載の6ページ解説ブックレット付。ものすごーく人気あったのだ日本でも。それだけに表ジャケには参っただろな東芝EMIさん。
装丁がそうなら、中身はもっと徹底してるぞ。はい、あの曲の衝撃イントロをプレリュードに
まずは74年の夏、全米最高位16位の

人生なんてそんなものさ
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歌うは犬のコリー・ウエルズさん。わん。作は若きジョン・ハイアット氏です。
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元気一杯になる、しょげます。
失くしちゃいます そして見つけます
ほら、俺様ここにどでんと座ってるぜ
ほら、俺様ここにどでんと座ってるぜ
笑います 泣きます
生きてる間は全部受け止めるか
ほら、俺様ここにどでんと座ってるぜ
ほら、俺様ここにどでんと座ってるぜ

水戸黄門の歌みたいさ。プロデューサーが変わりました。ジョン・ポドラー氏から、ジミー・イエナー氏へ。ジョンさん、コンセプトなアルバムにどうも反対したらしい。何も今更・・・って気持ちか。ジミー氏はラズベリーズ、グランド・ファンクで御馴染み、豪腕筋肉どでかいええじゃないかPOPのプロデューサーさんで、ただでさえ大味さ肉さオリジナルの曲の呪いをぶっ飛ばして美味いとこだけ喰うさの3DNに輪をかけちゃったじゃないか。
何事も割り切ってやるとこまでやりゃあ吉となる。そりゃもえりゃあ大アメリカンな音楽完成です。
この国に戦争に負けたんだなあって臭い遥か彼方から昔のマック・ハンバーガーみたいに臭いまくり。
苦しい悲しいの連発。聴く分にはこれだけアメリカンだとあまり感じないけど。まー、これでじとっとしてたら身の置き所無いよな。
A面の最後にはジミー・クリフ氏の
シッティング・イン・リンボ
貧乏で座ってます・・てんじゃ無くて・・・ここは刑務所、座ってます、もうすぐ出所です。抵抗するのを諦めたヤツラ。俺だけはやってやるぞ
とゆう歌。
お前達が歌うかーってジミーさんは優しいから言わない。こっち側にいればジャメイカ人でもアメリカ人でも同じです。
B面に入りますと
20年前の幸せな恋を思う「胸に溢れる愛
そして
74年11月に第3弾シングル、最高位33位となった

プレイ・サムシング・スイート

ニュー・オリンズの大大将、アラン・トゥーサンさん作の名曲です。何たってスレイドがどうしてもやりたくてカバーしたくらい。
うだつの上がらないミュージシャンが恋人にさんざけなされて、そして励まされて、頑張って、どうだーこれなら、きゃあ素敵となります。

またまた人生楽有りゃ苦もあるさの黄門ネタの「オン・ザ・ウエイ・バック・ホーム」を挟んで
ラストは、問題作、&シュープリーム、ワンダホな

ショー・マスト・ゴー・オン
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だ。オリジナルはレオ・セイヤーさん。ほぼ原曲忠実ながら、ミソはイントロのサーカス音。誰が作ったのかこのメロ、聴いただけでワクワクそして物悲しくなる調べ。これを足して威力が百倍になった。ほら、けっこうやるでしょ僕達?知ってますよー、3DNてばさ、そのセンス。
歌うは体重が800kg有りませんダニー・ハットンさんじゃ無くて、根暗じゃありませんチャック・ネグロンさん。
肉喰って無きゃ出来ません、限界ギリギリの泣き歌いす。プロです。歌もプロの歌。
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ベイベ、この孤独な生活、選んだのはこの俺だけど
もう苦しくってしょうがないよ
ワイドな全ての野郎ども でっかい葉巻に でっかい車
ヤツらは根っころがってみんなで大笑いしやがる
おー、俺はこき使われただけだ おおおお
俺は馬鹿野郎だった おー 大馬鹿
規則なんか全部破ったんだ おーいえ
でも俺はショーを続けなければならない

ベイベ、そりゃもうたくさん大観衆がいる
ヤツラは皆俺の血をすすっているんだ
俺は望む この劇場の壁をぶち壊すことを
俺を出してくれ 出してくれ頼むから
おー、俺はメクラだ おーメクラだ
時間を無駄にしていた 無駄に 無駄にしていた
綱渡りをして とっても高いところに張ってある綱
それでも俺はショーを続けなければならない

(サーカスの音楽です)

おー、俺はメクラだ おーメクラだ
時間を無駄にしていた 無駄に 無駄にしていた
綱渡りをして とっても高いところに張ってある綱
それでも俺はショーを続けなければならない

ベイベ、どうか抜け出すために手助けしてくれよ
何とか脱出するために
ここから俺を外に連れ出してくれ
この仮面生活からどっか遠くへ
だって俺はずっとメクラだった とってもメクラ
時間を無駄にしていた 無駄に 無駄にしていた
綱渡りをして とっても高いところに張ってある綱
それでも俺はショーを続けなければならない
ショーを続けなければならない
ショーを続けなければならない

そんなー。今まで応援してきたのにー。そんな気持ちだったんですかーってファンには大ショックな内容で。キツイ一発です。
自爆覚悟のパンク歌。
で、実際自爆しちゃったんだよな。この後これを頂点にヒットはめっきり出なくなっちゃった。
それでも
ショーを続けなければならない
かったスリー・ドッグ・ナイトです。
何故なら、辛いけど好きだから音楽稼業。
盆開けには厳しい歌をば まことに申し訳ありませぬ。

大方の人は、辛いけど生きていくためにショーを続けなければならないんだよな。
小さな、でもとっても大切な楽しいことのために。


(山)2006.8.17

ろっくすスリー・ドッグ・ナイトのページ

でかいジャケットのページ

入手先参考(もうすぐ出ます2in1のUS盤、アマゾン)


ベスト盤(試聴可能です、同)

3犬ちゃん版の動画は無かったす、なのでオリジナル、これまた哀しい
Leo Sayer & the muppets - The Show Must Go On



The English translation page : here.

posted by 山 at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒット職人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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