2006年08月21日

How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? / The Pop Group 1980/2/17

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How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?
The Pop Group
1980/2/17


1980年2月17日に宣言された
ポップ・グループの2ndアルバム
この先どれほど長く俺達は大量殺人に耐えられるか?です。
1978年に英国はブリストルで発生、79年に早1stの「Y」を出す。ろくに楽器もやったことの無い10代の若造どもが2枚目も出しやがった。
聴いたもの、関わってしまったものはその後確実に何かを背負うことになり申した。

お前はどっちだ

と曖昧許さぬ選択を突きつけられる音楽です。
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他のヤツラを見るな、お前はどっちなんだ

って。
だから私は私の思うことを書きます。
かっこいいぞ。ともかく。音が好きだ。
やましいぞ。とても微笑ましき表ジャケのキッス。
裏を返せば同じ年頃の子供達の言いようの無い写真。俺達に言われたってどうしょうも無いじゃないかって小さな日常幸せを送ってる自分にたまらないやましさを感じる。ずーーーとだ。今でも。聴くたんびに見るたんびに。

26年前と状況は変わっていないじゃないか。
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この数年前にはキンキラキン、楽しくするしかないじゃんかってグラムってた英国でいったい何が起こったのか。
ピストルズだけなら突然変異の変わりバンドが出て来たぞで済んだものを。続々と現れる怪物ども。
何より音の質感がまるで違う。
そのパンク登場後に音楽始めた連中がわずか2年でこんな音を出す。

尋常じゃねえよ。

尋常じゃねえ社会だったとしか。
我慢に我慢を重ねて桃太郎侍50人斬りみたいな。斬った後はすっきりしてしまって、何事も無かったように元に戻ったか。
いや、尻尾に澱のようなものがいつも付いていたはずだ。しばらくは。
しばらくはでいいのか・・・って思うヤツは、再びこの盤を聴き帰す。

よいによってやましい気持ちをまた持つ為に。

別に悪いことをしてた訳では無し。普通に真面目に生きて来ただけなのに、世の中はこんなんだ。何故なんだ。どこで俺達は加担してしまったのか。どっかではっきりしないと、善意で気の毒な人に募金を!とかボランティアを!とか、「ありゃ暇な金持ちが道楽でやってんだ。」以前に、自分の身にかかることはこの後無いのか。ラッキーだっただけか。残りの寿命の内だけはラッキー続いてくれますようにか。もし、あの子供達と同じ目つきをしなければならなくなったらアンラッキーと諦めるか。

何が俺達は俺達なりにギリギリの状況ながら出来るのか。

「最も重要な行為は、疑問を持つことかもしれない」
って、十代の小僧、マーク・スチュワート君に言われて、「くそこの若僧め、生意気に」って思ったとしても言い返せるか。違うって。
解決策をこの連中は持ってた訳じゃありゃあしません。
「何故なんだ、何故なんだ」って吐き出す。吐き出したいがためには、これほどの音が必要だったからこんな音で、苦しくって苦しくってたまらんからこんな声で歌っているのだ。踊らせてやる。そして思え。1000人に一人でも。

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これで金を儲けることなんか出来やしようかって著作権をぶっとばせやったために、現在長く廃盤状態が続いてます。
先日も再発直前まで行って頓挫。
中古アナログは3000円超。
それでも何回か我が国でCD化され、その中古が有るには有る。3000円超、7000円超、3万円なんてのも。
本来はタダで配るものだぞ。その意志によれば。もしくは必要経費ぎりぎりで出すものだ。
そんな値段で出して投機の材料にする店はその態度が問われる。音楽への態度が。それだけじゃないな。
当のポップ・グループにしてもこんなことになるとは想像しただろうか。
それほど容赦無いものなのだ、こいつらが「何故」って言った世の中は。

にしても、聴かれなければこの超大なる「何故」は生きない。
流通すべし。
これほど闇が似合う盤は無いのだから。
って大きな声で言えなくて・・・またやましくなる。

(山)2006.8.21

ろっくすポップ・グループのページ

でかいジャケットのページ

Beyond Good & Evil動画


The English translation page : here.

この記事へのコメント
動画見せていただきました〜やっぱカッコイイな。初めてダンナとマーク・スチュワートのライブ行った時のことを思い出します。「覆面かな?」「いや、ガスマスクだろう」とかいいつつ観にいったら、ステージの上にはピンクのタオルを首から下げた人の良さそうなおっさんが(笑)
でも音楽やる人にとってはやってる音楽そのものが真実だからピンクだってどうだっていいのです。
だからこそ、POP GROUPにプレミアがつくってのは許せませんね。
それにしても。
「なんだかわかんないけど、いままでの人生で一番スゴイ音楽だ!と思った」
という、初めてポップグループを聴いたときのダンナの感想というのは、彼にしては数少ない名言だと思います。
ちなみに、人生で一番「うるさい音楽」はピストルズで「一番速い音楽」はクラッシュだったそうです(それってほめてんの?笑)
Posted by ショコポチ at 2006年08月21日 08:52
結局、商品だから希少なのは、高いのが当たり前みたいな・・・のって、釈然としません。
安く売ったるわって大馬鹿野郎なお店だったら、こっちもとことん付いて行くぞーって気になるのに。
逆に言えばそうゆう意志のある商売がこれからは最後に残ると思います。

この盤が出た前後はえらいこっちゃな盤出ましたよねえ。精神に影響及ぼすような。
リー・ペリー博士のスーパー・エープの逆襲とか。
あれって、この盤に直接つながる気がします。多分メンバーも聴いたんでYのあれになったかも。

えーーー、一番速い音楽は・・・・モーターヘッド(^0^)。
速くて呑気なのは・・・・・バズコックス。なんちて。
うるさいのはジャムのライブ。ってこりゃ俺の体験で・・。リッケンで大音量ってえらいこっちゃでした。
Posted by 山 at 2006年08月21日 22:09
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