2006年08月23日

Coast to Coast: Overture and Beginners / Rod Stewart & the Faces 1974

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Coast to Coast: Overture and Beginners
Rod Stewart & the Faces
1974


「よっ」
「あ、勘さん、お帰り〜。」
「お帰りってここは俺のうちか?」
「やだなあ。勇次の店ですよ。まああんたのうちみた
いなもんですけど。」
「勇次の店ってあのろっくすのメルマガの小説”親父ちゃん”で有名なあの勇次の店か?そうか。」
「これまたあけすけな宣伝で。そうですよ。それにしてもまただいぶ出来上がってるようで。」
「あははは。いやね、中条さん家でちょっくらゴチになりました。」
「じゃ、早く寝た方が・・。」
「やだやだやだ。あれかけて。例のヤツが聴きたい。
こうするとこうするっての。それとアツカン頂戴。」
「まだ飲むんですか?こうすると・・・ってああ、あれですね。はいはい。」
「そうそれ。あれ?CDなの?色気無いねえ。ひっくり返せないじゃないか。」
「ひっくり返ってるのはあんたです。」
「あはは、そりゃそうだ。お、始まったね。♪おー、いっつ・オーローバナウ♪てか。」
「こりゃひどいロッドだね。」
「うるさい。そんなこと言うなら語っちゃうよ。」
「あーあ、親父だよ。すぐ語るからなあ親父は。はいはい聞きます聞きます。」
「ヤングミュージックショーだ。知ってるか?」
「そりゃも、私だってロック好きでしたから。」
「そーか。そりゃいい。マイ・ブラザー、べいべ。そうそのヤングさん。それで始めて見たのよ。ロッドさんとフェイセズさん。
そしたらまー、メンツに日本人いるじゃない。嬉しかったねえなんか。」
「テツさんですね、山内の。はいどーぞお酒。」
「お、ぐびぐびぐび。山内のって知り合いかお前。」
「そんな訳無いじゃないですか。でも友達になっちゃいますよね、あれ見ちゃうと。」
「そうそう。お髭がステキ。ははは。そんでさ、凄いんだ、ほれ、ロンのウッドちゃんのギター。スライドだもんね。俺なんかさ、ガキだったからさ、あれどうやって弾いてるかわからなくてさ、随分ヘロヘロの音だなあ、でもかっこいいなあ、かっこいいなあ、かっこいいなあ、かっこ・・・」
「止まらなくなっちゃったよ。親父ちゃん、頭でも引っ叩いてやって。」
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ボカン
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「止まれ止まれ、僕にも頂戴、お酒、ビン丸ごとでいいから。」
ぐびぐびぐび
「凄い二人だね。」
「かっこいい、かっこ・・・。あ、痛。ぶったなー。そんでね、下手くそだなあとは思った訳よ、生意気にも。で、下手でもかっこいいならそれがいいじゃんと、ギター練習せずに今に至る。だからロンちゃんがいけません。責任取って下さい。」
「責任って何の責任。」
「速弾きスタアになり損ねたじゃん。」
「無理無理、練習嫌いでしょ、何事にも、勘さんは。」
「ははは、そりゃそうだ。お、エンジェル。金のエンジェル、銀のエンジェル。自慢じゃなけど当てましたおもちゃの缶詰。何だーてなもんで。実際開けちゃうと。はいいけど、こりゃあれだオーティス・レディング師匠とMG’Sだね。バドコてさ、目指したらしいけどさ、こっちだよな、実際、英国のオーティス&MG5は?そ、思うだろ?」
「はいはい、もう性質が悪いね。そんなに絡み酒でしたっけ?勘さん。」
「うるせー。地球が破滅するかもしれねえんだ。飲まずにいられますでしょうかってんだーテレキャスター。美味いね酒とロッドの歌は。」
「美味い上手い」
「上手いですねえ、ほんとに。」
「お、ステイ・ウイズ・ミー!オハコ、おはこ。がごがごがこがこがこってね。これがロックンロールちゅうねん。切れが最高です。何でそんなに切れてるか知ってるか?」
「いや、どうして?」
「そりゃもう、スライドだからよ。変則チューニング。知ってるか?ま、多分オープンAかGかEかDだろうけど。」
「随分曖昧ですね。」
「いーの。ブライアン。0-0-0-aaa0aenof-1elf1.jpgつまりだな。ほれお前もこれなら知ってるだろ。開放弦でそのままコードが鳴るようにツーニングしてるのよ。そうすると楽なの、がこがこがこがこっってやるのが。」
勇次、自分でエアギターして確かめてる。
「ほんとだ、楽ですね。」
「そ、だろ。それで切れがいいの。楽が一番。あ、雨だったらいいなあ、だ。いいなあ。雨だったらいいなあはいいなあ。いいなあはいいなあ。」
「また止まらなくなっちゃったよ。」
「手拍子手拍子」
「そ、揉み手でやんなきゃいけません。あ、もたった。そこがいいんだよな。細かいこと言うなっつうの。そんでね、ヤングショー見た後に買ったのは、大船のモノレールの架線下にあった中古レコード店。まだ有るかな。無いだろうなあ。聴いたね擦り切れるほど。何回「グっナイ」の最後のロッドちゃんの声聴いたことか。」
「好きだったんですね、ほんとに。」
「バカヤロ。今も大好きだ。”だった”じゃねえっつうの。そんでね、聴いてるか、売っちゃったんだよこのレコード、喰えなかった時に。泣いたね、別れには・・・買い戻したけどよ、CDで。でも、思い出はあのレコードに有ったんだよ、聴いてるか、むにゃむにゃ」
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「急に静かになっちゃったよ。ほら、勘さん、どうしちゃったんですか。あれ、いきなり寝るかねえ。止めますか?CD。」
「うにゃ、うにゃ、止めるな。うー、俺はロッドー。」

ずぴー

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「あれ、寝ながら聴いてる。夢でロッドになってるのか。ま、いいか。ジェラス・ガイまで聴かせてあげよう。俺も聞きたいし。」

♪俺はジェラス・ガイーてか。ドリーミンてか。


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(山)2006.8.23

ろっくすロッド&フェイセズのページ

でかいジャケットのページ

入手先参考(日本盤、アマゾン)

US盤(同)

フェイセズ動画集

I'd Rather Go Blind

Sweet Little Rock 'n' Roller

Stay With Me

I'm Losing You

Tiny Tim-Do Ya Think I'm Sexy(1979)


うさぎ



The English translation page : here.
posted by 山 at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ブギー・バンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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