2006年10月26日
Yes We Can / Lee Dorsey 1970
Yes We Can
Lee Dorsey
1970
「マーイ・ルイジアナママ、ロニオリ」
と、かつて飯田久彦氏が高らかに宣言なさりました。
ローリング・ストーンズ、ミック・ジャガー唇も「高校生が来たニューオリンズ」と高らかに吼えました。
すべてのブラウン・シュガーはロニオリふろむニュー・オリンズ。生まれたつうのはあれだけんど、全てが一旦は通過して北米大陸に伝播した模様、英国島にも。
ここに取り出だしましたのは1枚のアルバム
イエス・ウイ・キャン
はい・できまっせ
歌唱はリー・ドーシー爺であります。
世に後世に多大なる迷惑をこうむらさせた盤が何枚か有りーの。ビートルズしかりビーチボーイズのペット・サウンズしかり。バック・トゥ・ザ・フューチャーしちゃって無きものにしちゃったらファンクやロックは有るには有るがビフ・タネンが支配してとんでも無いことになりいの。
このアルバムもそんなアルバムです。
リー同志おじさんが自動車修理工のまま、諦めていたら。
アラン・トゥーサンさんが普通のお父さんになっちゃっていたら。
何百枚かの音盤がこの世から消えちゃったかも。
大変だ。
その中には、リトル・フィートも有り、ヴァン・ダイク・パークス氏も有り、オーリアンズ、ロバート・パーマーさんも有り、フランキー・ミラー氏も有り、ジェス・ローデン氏もあり、スレイドもあり、リンゴちゃんもポールちゃんもポインター姉妹も、果てはレッドのゼッペリンも違ってたかもしれんよ。
このアルバムが無かったら。
それほど直接的に迷惑をかけているアルバムです。
作られた時は1970年。
前回感謝させて貰ったドーシー氏のアルバムの頃がブレークした時です。1966年英国。シングル5曲、EP1枚、アルバム1枚のとんでもブーム。
それから4年、時は熟せり再び相集う3者、ドーシー=トウサン=ミーターズ。今度は70’s型ニュオリンズファンクを誕生させに。
↑父さん
どうゆう風になったかっちゅうと、勝手に想像するけどよう、まずマーチがアメリカ大陸に有って、そこに無理やり連れて来られたブラウンシュガー達。年に一回ガス抜きでお祭を許されたとよマルティグラ。郷に入っては剛竜馬に従えってんで、マーチするんだけどやってるうちにどーもこの四角四面が体に合わぬ。次第に出て来るシンコペーションの嵐。そいつはセカンドビートと呼ばれてからに。そこからさらに真ん中抽出されて出来たメビウスの輪音楽が66年のドウシイ=父さん=ミーターズで、さらにそいつが立体化、四次元につながるヨジレマイオス3世になったのがこの70’sニューオリンズ・ファンクだ。敵は宇宙だ、次元の壁だ。およそ音楽の道を歩む者、魅了されない訳ありません。
あ、さて
そが一番表明されてるのが、表題曲
イエス・ウイ・キャン。
キャンキャンとも一回キャン追加されてポインター姉妹で大ヒットした曲です。
この不思議さやいったい如何に。ベースは前ノリ、そしてドラムは後ノリ。ギターはどっちの味方にも付かず。歌はその間をパンチを避けるかのごとく縫う。綾取りの「橋」みたいだよ。だれか説明しろってても誰も出来ん。やってみるしかねえ。やってみてー。
だって何か出来そうな気がする。ドーシーさんの歌も黒い人の割には無骨さんだし。俺の方が歌上手い気がするし。音は見えることは見えるし。
女人無敵、しかも姉妹つう最強布陣でぶっ放したのがポインターシスターズって次第。そして、何よりもイギリス。66年の時とは違ってまるでこのアルバムは売れなかった。この言うてみりゃあ、丸見えだけどややこしいノリ。没入するにはそれなりの修行が必要です。しかるに音の修験者達には聖典となり申す。
事の起こった北米大陸ではバンドの有り方まで変える野郎どももおりました。
と、ここで時間となりまあした。
その事の次第は、次回遥かなる凶顔がおの男達音楽第2回にて。
それまでまだ閲覧しておらん方々は購買部で売ってますから。充分に没入して下さい。
百回かけて得られる魅惑はどんな魅惑より百倍です。
(山)2006.10.26
ろっくすドーシー同志のページ
でかいジャケットのページ
入手先参考(US盤、試聴可能です、アマゾン)
トウサン父さん動画集
Allen Toussaint and Bonnie Raitt "What is Success?"
http://www.youtube.com/watch?v=Reb__vV7tUY
Allen Toussaint
http://www.youtube.com/watch?v=CMNepLypKTA
Elvis Costello & Allen Toussaint, River In Reverse on TV
http://www.youtube.com/watch?v=AZ_aOk2NY_k
The English translation page : here.
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