2007年01月29日
金色のライオン / 岡林信康 1973
金色のライオン
岡林信康
1973
生粋の洋楽野郎でありますおいらが40後半にして邦楽に再突入する「スーパー歌謡曲」です。
どう考えても日本人だもんなあ。おじさんの。
その2回目は、井上陽水氏に続き、
岡林信康さん。
フォークの神様だ。こん方が大丈夫なら全部大丈夫だぞきっと。それでもいきなし生ギターでパプーってハードメタルデスなやつだと怖いので、中でもロックに手掛かりがありそうなのを探しました。えー、裏ジャケ見て・・・何々、
おー、松本隆氏製作。
ミュージシャンは
矢野誠氏
鈴木慶一氏
後藤次利氏
伊藤銀次氏・・・
す、すごい。はっぴぃえんど&サディスティックス&ムーンライダーズ。
これならだいじょぶだー。針を落とします。
生ギター・ストロークに続いてバンド、ぱぷー!来たー、野放しのフォルダー・ハーモニカ!やばいか。そしたら
ヒャーってオルガンがよ。おお、これはもしや・・ザ・バンドではないか。パプーとヒャー。ディラン&ザ・バンドまんまです。
喜んでます。
優しい声の方です。普通に歌ってくれてます。
良かったと安心すること2曲。問題は3曲目
「まるで男のように」から
この歌詞はいったい。爆笑す。何回も聴くと謎が深まって来まして。歌っている対象の人ははたして、まるで男のような女なのか、はたまたまるで女のような男なのか?むー。
”あなたもほんとうにたいへんね”が染みます。
ここで完全にブレークし、4曲目の
「ホビット」
物語歌ってのは英語の専売特許だと思い込んでいましたけど、出来るのかー。日本語で。目から鱗が。ぶあついのが。
”ホビット”とは何なのだ。どうやら学生運動家達がタムロしていた飲み屋さんらしい。そこへ岡林さんが行って巻き込まれる事件事の次第を矢の様な言葉で。
どう聞いてもこれは、イアン・デューリーおじさんです。3枚目のラフターの頃の。
最後は大正TV寄席に。
大正TV寄席のまま5曲目「ユダヤの英雄 盗賊バラバ」
バラバさんとは一体誰でんねん。ウルトラマンAに登場する怪獣では無いでよ。えー、イエス・キリストと共に処刑されるはずだった盗賊さん。恩赦で、どっちかを助けてやるって迫るローマ体制側に民衆はバラバを助けるように選択したとのことです。
なぜそうなったかを、大正TV寄席で。
バラバと聞いて歌を聞いて藤田まこと氏の顔を思い浮かべたら、映画では西洋藤田まことのアンソニー・クイン氏がやってたのね。あははピッタシ。
もう面白くて面白くてたまらん、はやくB面をーと引っくり返すわけだこりゃあ
ファンキーな「黒いカモシカ」で黒いゴーゴーダンス踊って、
次は
「見捨てられたサラブレッド」
馬の歌だ。ワルツだ。やばい。トドメが来ちゃった。
まほさんは1回目で大泣きしました。私も泣きました。2回目も泣きます。3回目も。4回目も。
およそ競馬好きの人なら誰でも馬券を買いながら、スッて悔しがりながら、当たって喜びながら、どっか心の底で抱えてる原罪つうか、思いつうか
これほど真正面に歌ってくれてる歌、聴いたことありません。
競馬番組ではけっして放送できません。
歌詞のあそこ、そこでいちいち反応しちゃって。
書きたいけど、これはぜひ
競馬好きの方に聞いてもらって・・・一緒に泣きましょう。
馬券当てて、お前を迎えに行きたい。そんなことになれば一番なんだけど・・・これがまた難しい。
こっちもへたすりゃ
「見捨てられた人間」。
気が付けば同じじゃないか。
歌い方のひょうひょうさが、それゆえにもう。
ラストの曲の「26番目の秋」、これまた”46番目の秋”って、やたらてめえに重ねて。
自国語で、歌詞がわかるって喜びをとことん味わいました。
何よりも。歌いたいことがあって。歌おうとしたらメロが寄り添うように付いて来たって。
岡林さん。ここでの貴方は生粋の日本のパブ・ロッカーです。バックはブリンズレイならぬザ・ルーモアに思え。
欠点つうか問題は、あまりに面白くて、言葉がわかって、聴いてると他の事が出来なくなること。
笑いが止まらず、涙が止まらずじゃ、電話かかってきたらやばいもんなあ。
続けて買います、Oさんのレコードを。
(山)2007.1.29
スーパー歌謡曲のページ
でかいジャケットのページ
入手先参考、アマゾン
放送禁止で動画
森達也『放送禁止歌』ドキュメンタリー (1/6)
http://www.youtube.com/watch?v=s9eovrsgqsU
森達也『放送禁止歌』ドキュメンタリー (2/6)
http://www.youtube.com/watch?v=cjWjoyCpVL4
森達也『放送禁止歌』ドキュメンタリー (3/6)
http://www.youtube.com/watch?v=sATpQ8yXFWI
森達也『放送禁止歌』ドキュメンタリー (4/6)
http://www.youtube.com/watch?v=PDFMrMBmEHU
森達也『放送禁止歌』ドキュメンタリー (5/6)
http://www.youtube.com/watch?v=wpNMAvGNyHo
森達也『放送禁止歌』ドキュメンタリー (6/6)
http://www.youtube.com/watch?v=4rdQ4VSoF0Q
The English translation page : here.
この記事へのトラックバック
”くらい話だけど書きたいから書きました”って、まんまかと思います。岡林さんの歌。
歌いたいから歌ったってそれだけで。
凄い求心力でそれが。
どんどんひきこまれました。
自分の感じたことを自然に歌に出来るって
こうゆう方が根っからの歌い手なんだなと。
唄のタイトルは、ボブ・ディランのJust Like a Womanのパクリです。
目から鱗です。
とすると
色んな面で・・・
キツい一発ですねえ。
タイトルはそうだよなあと思ってました。