
Studio Tan
Frank Zappa
1978/9/15
レコードを聴いた時、
感じることと言えば
「最高!」、もしくは、「最低!」って最上級の賛辞が有って、そうでなければ「まあまあ」。
「まあまあ」にも「全体的にまあまあ」ってのと「何曲かはバチハマリ、でも他のはぐへ。」てのはかなり違うと思います。
それとは別に
「わからない」ってのもある。音楽がわからないってのは一体どうゆうことか?何をしてるかわからない?
何にも感じない?いつづれにしよこんなに悲しいことは無し。
「気持ち悪い」ってのも有って。これはかなり高得点。わからないって言われるよりやってる方はこう言われた方が嬉しいだろな。少なくとも人心をかき乱したから。
で
「わからない」と「気持ち悪い」を世間で一手に引き受けてるのがフランク・ヴィンセント・ザッパおじさん。
両方ともそれでは全く売れるわきゃあ無いんすけど、その度合いが半端で無く、しかも徹底的に遣り通しましたんで
中には「わからないけど気持ちいい」or「気持ち悪いとこが気持ちいい」なんて輩が増殖し、勝ったぜ。
当然レコード会社とも揉めます。音楽人生中、会社から褒められたのは1回だけ、後は戦いの歴史のみ。
この1978年9月に出ました
スタジオ・タン〜スタジオ焼け

てば、その揉め最高潮、最初は76年に4枚組箱モノで出そうとした中の一枚。今でこそボックス・セットは有り有りだけんども
当時は4枚モノってば、いくらになっちゃうだろ。6000円くらいか。それじゃ売りにくくてしょうがない。
買いにくいし。って、あの素晴らしい会社ワーナーでもしり込みするのはわからんでも無いす。
あーだこーだしてるうちに2年。いよいよ痺れを切らして勝手に出しちゃった。バラ売りで。
怒りました、ザッパ師。でもCD時代になって許したよ。出たものはそれで歴史となったもん。

ロクシー・マザースの時の音源をそれこそスタジオ焼けするほど、スタジオに篭ってぐつぐつ煮込んだものです。
まずは20分33秒の「グレゴリー・ペッカリーの大冒険」。
くんずほぐれつする音と語りの物語されて、いやー「わからない」。英語だし。訳を読んでもわからない。凄い具体的な話なんすがわからない。
フロー&エディ・マザースの時と同じです。アメリカのTVの1日分を20分間でハイパースピードで見てるような・・・
ギャグを聞いて他の人は大笑いしてるのに、自分だけ何故?って感覚だす。でももしかしてこれは他の人もみんな何故?って顔してるかも。
中にはわからないのに顔だけ笑ってる人もいるかもしれぬ。
それって裸の王様じゃん。でもその裸姿の筋肉が尋常じゃなくモリモリなんで困っちゃう。
はい、わかりません。浄瑠璃くらいわかりません。気持ちいいです。

「改訂版ギターと予算不足のオーケストラのための音楽」
ザッパ師匠がナイロン生ギターを弾く。全部FZ音階のFZリズムのFZハーモニーの音楽です。そうじゃないのは無いんだけど。
はい”わからないけどきもちいい”部門優勝。ただしインストなんで浴びればそれでいいよ。何を唄ってるか悩みません。
「海へ行こうよ」
突如始まる物凄くわかるPOPチューンす。歌だってもう”海へ行って楽しく過ごそうよ”ってまんま。
だからと言って全米1位なんかには絶対なりそうもねえの。それは気持ち悪いから。
気持ち悪くてたまらなく気持ちいい部門優勝。
「RNDZL」
タイトルで悩むとそれだけで一生分の時間費やすから止めます。インストなのです、RNDZLって。
記号ですから勝負は音だけに絞られる。
阿呆がとりえの男子、あり余るエネルギーをこの超絶な音嵐にぶち込む、正しい使用法。
ルース・アンダーウッドと申す豪女がどうしたら間違えないでこれを出来るのかって音を木琴で叩き込みの

大明神の大ギター・ソロ。

それだけで幸せになる。
いつだったんだろ、幸せになったんは?何か知らないけどいつのまにか突然絶対0度から100度になってました。
まず聴く気になっての、我慢しての、あげく・・・何で我慢せにゃならんのか?????
音楽だから理屈でわかるってもんじゃなく、感覚把握だから、、どうでもいいんならどうでもいいけど
無いと困ります。そりゃもうかなり相当困る。
お願いします。何をだ。

そう言えばうちに有るMSI版CDの解説もわかるようでさっぱしわからないって。
想像を絶するようなエネルギー対決であります。
(山)2007.6.26
ろっくすFZのページ
でかいジャケのページ
入手先参考、日本盤、アマゾン
入手先参考、US盤、アマゾン、試聴はこちらで
資料
Z動画
Frank Zappa - Inca Roads
http://jp.youtube.com/watch?v=BL1Th7cWDIU
Zappa - Sweden 1973 4. Be-Bop Tango (II)
http://jp.youtube.com/watch?v=ilCLX8Ou2lk
The English translation page : here.