2007年08月26日

孤独の旅路〜オールド・マン / ニール・ヤング 1972

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孤独の旅路〜オールド・マン
ニール・ヤング
1972


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ハーヴェスト

Harvest


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ろっくす特製でかいジャケットのページです。
http://rocks.studio-web.net/bou/neil/harvest.html


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Neil Young - Heart of Gold 1971
http://jp.youtube.com/watch?v=c7M1Se-p7uk


Neil Young - Old Man - Live at Massey Hall 1971
http://jp.youtube.com/watch?v=7DZYPgfjsmQ

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2043年の今ではレコードを聴こうなんてヤツはこの世におらず。
いやもしかしたらいるのかもしれないが持ってるだけで捕まるんだから裏の世界には違いない。
何故捕まるのかって?12年前にいきなり石油が出なくなってありとあらゆる石油製品が再生に利用されたのだ。
ダイオキシンが出ようと塩化ビニールの塊のものが見過ごされる訳は無い。しかもジャケットってのには紙なんて使われている。
木も草も刈られるものは刈られちゃったんだ。代用エタノール・ガソリンの為に。
急いで開発した水素エンジンが流通した今になってあちらこちらで生やそうとしてるって訳で。
とにかく持ってるの見つかったら逮捕、懲役何年喰らうかわかりゃしない。

でも俺は聴きたい。

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爺さんがレコードを仰山持ってる。当年73歳。本だって半端で無く持っている。本も無くなったんだよ。
紙だから。デジタル化してしまえば何の用があるかってなもんだ。
だから爺さんは隠れた。どこかの都会の地下にいるらしい。婆さんと一緒に。
ガキの頃には無理やり爺さんの家でレコードを聴かされた。20世紀にロックって言われてる音楽を。
手で作ってるもので演奏されてるんだぜ。写真でしか見たこと無いけど。楽器って言うらしい。ギターとか言うヤツだ。
最初は嫌で仕方が無かった。でも、結局は夢中になってしまった。それで禁止って言われたらたまんねえよ。
騒いだら親が役所に届けやがって、俺は政府運営の学校に放り込まれてしまった。24時間監視付きの義務教育、大切な子供をしっかり育てますってさ。

爺さん達が隠れる時、そのレコードと本は一緒に地下に潜った。蛇の道は蛇。同じようなキチガイがいて、それもたいそうな権力持ってるのもいるらしい。
そいつらが作った隠遁所にいる。喰うには困らんと聞いた。もっとも食物だけは酵母で食品合成の発明が出来て以来、世界中で困ってるやつはいないが。
味はともかくとして、魚や肉に似たようなものは喰える。
で、そうそう、
爺さんが隠れる時、俺にメールをくれたんだ。もちろん死ぬほど暗号化されたもので。
何かして欲しいことはあるかって。
俺は返信した。もちろん死ぬほど暗号化されたもので。

爺さん

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爺さんが俺の生活を見ている
俺はあんたがそうだったようにそうなんだよ
爺さんが俺の生活を見ている
俺はあんたがそうだったようにそうなんだよ

爺さんが俺の人生を見ている
24年
そしてそれよりもっと
天国に孤独で住んで
それは俺に二つのことを考えさせる
愛は失われた それなりの代償でもって
失われていないものを俺にくれ
金貨のような まだ飛ばされていない
あるべきあんたのとこへ転がっていく

爺さんが俺の生活を見てるんだ
俺はほんとにあんたみたいだ
誰か俺を愛してくれる人が欲しい
一日中
あー、目に見えるもの一つ
そしてあんたはそれが真だって話す事が出来る

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子守唄 あんたの目の中に見える
同じように古ぼけた街にあふれてる
俺に似合うとは思わない
あんたに相当似合うと思うよ
俺は最初で最後でいた
時間が過去になっていくのを見て
でも最後には、俺は完全に一人になってしまったんだ
いるべきあんたのとこへ転がって行くぞ

爺さんが俺の生活を見てるんだ
俺はほんとにあんたみたいだ
誰か俺を愛してくれる人が欲しい
一日中
あー、目に見えるもの一つ
そしてあんたはそれが真だって話す事が出来る

爺さんが俺の人生を見てる
俺はあんたがそうだったようにそうなんだよ

爺さんが俺の人生を見てる
俺はあんたがそうだったようにそうなんだよ



しばらくして爺さんからまたメールが送られてきた。今度はまた違う種類の暗号化でいっぱいのやつで。
もしチャンスがあるのならブツを送ってくれると。
俺はチャンスを待った。ひたすら。
翌年、爺さんの年代でゆうところの修学旅行ってやつがあったのだ。京都と奈良へ行く。
出先なら警戒も緩む。
爺さんにメールで連絡した。
すぐ返信があり、とある京都の陶器の店でブツを受け取れと言う。
お前が送ってくれたメールの歌を主人に唄えと。
自由行動の時、俺は陶器屋に向かい、よぼよぼの主人の前で思い切って口づさんで見た。
主人は奥から、一台のノートパソコンを持って来た。
耳打ちして、このディスプレイを剥がせばお前の欲しいものがあるとゆう。
それが俺の爺さんのお前に出来る最後のことだとも。

ホテルに帰り、便所で剥がしてみた。
一枚のシングル盤が入っていた。
俺はその溝を必死に眺めた。


孤独の旅路

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わしは生きたい
わしは与えたい
わしは黄金の心を掘る炭坑夫だった
それがこんなやり方
わしはけっして与えない
それがわしを求め続けさせる
黄金の心のために
そしてわしは老いて行った
求め続けさせる
黄金の心の為に
そしてわしは老いて行った

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わしはハリウッドにいた
わしはレッドウッドにいた
海を渡った
黄金の心の為に
わしは自分の心の中にいた
それはとても素晴らしいメロディ
それがわしを求め続けさせる
黄金の心のために
そしてわしは老いて行った
求め続けさせる
黄金の心の為に
そしてわしは老いて行った

求め続けさせる
黄金の心の為に
お前はわしに求め続けさせる
黄金の心の為に
そしてわしは老いて育っていくのだ
わしは黄金の心を掘る炭坑夫だった



旅行が終わり、そのノートパソコンと共に俺は学校に戻った。
門の前で、探知機を持った係員がいる。
そいつは俺の体中を探知した。もちろん持ち物も。

「お前は黄金の心を持っているだろう。そのまま持たせる訳にはいかない。」

俺はそいつの顔面に蹴りをくらわし、走った。

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But I'm all alone at last.
Rolling home to you.



(山)2007.8.26

ろっくすニール君ページ


資料

The English translation page : here.

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