2007年12月11日

エニシング・ゴーズ/ハーパース・ビザール 1967

0-071211-00.jpg

エニシング・ゴーズ
ハーパース・ビザール
1967


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
00000-1.jpg

エニシング・ゴーズ

エニシング・ゴーズ(紙ジャケット仕様)

Anything Goes

00000-2.jpg

ろっくす特製でかいジャケットのページ也。

00000-3.jpg

Harpers Bizarre Anything goes
http://jp.youtube.com/watch?v=3EZx6D-UUt0


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

そうだよ。クリスマスが来るんです。
何でも正月も節分も廃れた荒廃の団欒日本において、唯一家族で全員行う行事がクリスマスなんだそうで。
誕生日以外に意味無く貰えるプレゼントとケーキ。
キリスト様はどっかに飛んで行ってもサンタが何者か知らんでも目出度いものは目出度い。
長蛇の列がケンタッキーに出来、我が家は並ぶ根性無いすから自前で鳥足揚げるんだよ。フライパンで出来ます。美味いのが。
そしてその時には麗しの音楽。これです。

ハーパース・ビザール

0-071211-01.jpg

黄金の60’s、世はサイケだニューロックだと進歩進化に一直線だった時、古いものこそ新しい、ヤワなものこそハードだと逆らった
アメリカはカリフォルニアの連中。
つうか
元々は地元のビートルズみたいな音楽をしたいなあって若人を変な兄さんたちが寄ってたかってそそのかし、こんな風にヤクザなナイスガイにしちまった。
その変な兄さんとは、ワーナー・ブラザース・レコードの若くしてお偉いさん、レニー・ワロンカー氏。

0-071211-04.jpg

映画が主役のワーナーだってことをいい事に好きなことが出来たんだと。
そして類は友を呼ぶその舎弟は、
スマイリー・ヴァン・ダイク・パークス氏
永遠の毒ラグタイム王・ランディ・ニューマン氏
きらめくニック・デカロ氏

シングルのサイモン&ガーファンクルの曲のカバー”フィーリン・グルーヴィー”がまたヒットしてしまったものだから
ズニ乗りました。

古くてプログレシブ満開の2ndアルバム

エニシング・ゴース

ワーナーのあのファンファーレに乗って飛び出すはノイズ・スクラッチ入りのご紹介、そしてテーマ曲

Anything Goes

ミュージカル王、コール・ポーター氏、1936年の名曲です。

0-071211-05.jpg



古き時代 ストッキングちらり
それだけでショッキングなことに見えたのさ
今は神のみぞ知る

時は過ぎ去りし

良い作家だって 一度は素敵な言葉を知っていた作家だって
今は4文字言葉しか使わない
変な文だね
時は過ぎ去りし

世界は今日もどんどん狂っていく
そして今日は良いものは悪いものになり
黒が白に変わる今日
こんにち大体の男どもは 女性たちの賞品になって
ただの阿呆なジゴロになってる

とは言っても僕はとんでもないロマンチック野郎じゃないよ
僕は君たちが答えざるを得ないことはわかってる
僕が求めたら

時は過ぎ去りし 過ぎ去りし 過ぎ去りし
時は過ぎ去りし 過ぎ去りし 過ぎ去りし

ただ思ってご覧 そんなショックを君が受けた時の事を
君がいただいたパンチのことを
君が貰ったブルースのことも
ニュースのことも
そして厄介ごとのことも
もしオツムを君がいただいたなら
あの小さなラジオから

とは言っても僕はとんでもないロマンチック野郎じゃないよ
僕は君たちが答えざるを得ないことはわかってる
僕が求めたら 僕が訊いたら

時は過ぎ去りし 過ぎ去りし 過ぎ去りし
時は過ぎ去りし 過ぎ去りし 過ぎ去りし



昔から同じことを思ってたんすね、みんな。
少なくとも1936年からすうっと世が悪くなって行ったとすると今なんかもう
これは地獄だ地獄に違いない
ってば、浅川マキさんの世界だ。こわ。

って曲をやわやわに歌います。

そんな中、何の違和感無くランディ・ニューマン氏の
彼女の人生で最もでっかい夜」があり
もうそれはチャーミングな

ポケット一杯の奇蹟」・・・

アグネス・チャンちゃんの歌ではないよ。クリスマス・ソング。



P 現実
D 興味ないね
愛はこれから来る人生なんだ
僕はポケットいっぱいの奇蹟を持ってる(全部)
ポケットいっぱいの奇蹟と一緒(まだまだ)
一日にちょこっとの奇蹟が僕は欲しい

T トラブル 多少の
B 悩ませる僕を
陽が輝いていない時に
でもポケットいっぱいの奇蹟があるから
ポケットいっぱいの奇蹟と一緒だから
世界は輝いて ぴっかぴかのリンゴみたいで
それは僕のもの 全部僕のもの

僕はソリのベルが鳴ってるのを聞いてる
5月の真っ最中だとゆうのに
雪の周りをワーイと廻って
とてもいい気分、クリスマスが毎日みたいだ

L 人生はメリーゴーランド
F 僕が言えるとすれば
で、無料で乗り放題さ
だから君が落ち込んで、ツキから見放されても
僕にはポケットいっぱいの奇蹟がある
そしてあまりにいっぱい奇蹟があるんで
君と僕にはそれで充分なのさ

僕はソリのベルが鳴ってるのを聞いてる
5月の真っ最中だとゆうのに
雪の周りをワーイと廻って
とてもいい気分、クリスマスが毎日みたいだ

僕にはポケットいっぱいの奇蹟がある
でも一つだけそのミラクルをつまむとしたら
僕の一番好きなミラクルは、君が僕を愛してくれることだよ



まー、後生楽な人の歌でして。米ではこの類の歌を、ギャギャソング。お気楽小唄と申すそうです。
聞くところによりますと米人の遺伝子には逆境にて落ち込まないものが組み込まれているそう。
東洋人はその数が一個少ないそうです。
であるからとんでもないこともし、それでもあれなんだな。
ジャイアンみたいだとも言える。

そしてこのアルバムだけに入っている、ベストには入っていない名曲、
ランディ・ニューマン天使の”スノウ”。
これ聴くために買ってもオツリは倍になって毎日がクリスマス。

B面には、禁断のフランス語歌、エディット・ピアフ嬢の”ミロード”も有り、
プログレ・カントリーも有り。

いつまで経っても古くなりようがありませぬ。
だって
最初からヒス・ノイズ入り。

0-071211-03.jpg

リード・ヴォーカルはテッド・テンプルマン氏だよ。
後にあのヴァン・ヘイレンでキレのプロデューサー。

時は過ぎ去りしものだ。


(山)2007.12.11

ろっくすビザールのページ


英語資料



English Here


.
posted by 山 at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | バーバンク・サウンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月17日

バーバンク・サウンド / 椰子の実通りの理想 60's-80's

0-070417-01.jpg

バーバンク・サウンド
椰子の実通りの理想
60's-80's



「海外盤CD輸入禁止」問題覚えてますかー?
2004年の6月に「「著作権法の一部を改正する法律」として国会で可決されたものの中で文字通り、輸入盤CDが買えなくなるぞうって恐ろしい話が出た話です。もう3年前かよ。いつのまにかそれが骨抜きになってたりして。

なんでかー?

世はアイポッドをはじめとする音楽ダウンロードの世界に突入してしもうたからです。CDつうブツがどうのこうのってのがぶっ飛んじゃった。先日EMIがコピーガード外した曲データ配信始めるとか。せめて一回目くらいは買ってくれたらもう御の字です、みたいなヤケクソ状態。印税はいかに。ミュージシャンつう職業は成り立つのか??はて。
まるで滝壺が目の前にあるみたいに
20世紀があっとゆうまにフェイドアウト中です。
レコード会社も合併合併、今デッカはどこに属してるのか、ヴァージンはどこに?シド・バレットはどこ?把握できません。今、EMIとどっかの(^0^)2大グループなのかな?

なんだかなー。

つまらん。

ほんの40年前、30年前にはこんなレコード会社が有ったのです。

ワーナー・ブラザース/リプリーズ。

副社長&チーフ・プロデューサーのレニー・ワロンカー氏の弁

0-070417-07.jpg


社長モー・オースティン氏の弁

0-070417-08.jpg

なんとまあ信じられますでしょうか?こんな企業としてタワけたこと言ってる輩が仕切ってるレコード会社があったなんて。

奇跡です。夢のようです。

でも実際にありまして、好き放題やってのだ。それで売れたものもあり。まるで売れなかったものもあり。
全部丸ごと売れなかったら、さすがにすぐ干されただろな。
しかし、支持され、許される範囲で経営出来ていたんです。
それは音楽の聴き手が、それが素敵と認めたからであり、結局は選挙じゃないけど、良くも悪くもするもこっちがわの態度次第だな。

えー、本日の感謝、それはそのワーナー/リプリーズの作り出したバーバンク・サウンドへのものです。
写真とネタは、ドゥービー・ブラザースの日本盤LP「キャプテン&ミー」に入っていた小冊子から。

0-070417-13.jpg

書き手は、当時ブリティッシュ・ハード・ロック・ファンから敵のように罵られておりました、小倉エージ氏。
ニュー・ミュージック・マガジンがこんなんばっかの記事だらけになってるのはお前のせいだって。
熱いぜ、70’sのロック・ファン。気の毒なのはエージさん。
ま、評論家は敵だから、ましてや商売でやってるのだからしゃあないす。嫌われるのも人徳のうち。なんて他人事だから書けるけど。
俺だったらビビる。
宣伝パンフだからかまわんだろうかと、でかジャケ・ページでアップしてます。詳細はそこでご覧下さい。
ただし、内容があってるかあってないかは保障無し。
ものはでっかいバーバンク。しかも掴み所が有るって言えばあるし、無いって言えば無いところだから。
だって、社長の方針が上のようなんだもん。

リプリーズ所属でも、誰もニール・ヤングちゃんがバーバンクとは言わんし、ワーナーでもZZトップも言わん。

エージ氏が書かれてます様に、スタッフは

0-070417-05.jpg

ミュージシャンは

0-070417-06.jpg

そして、そりゃドゥービーのアルバムに入ってるパンフですから、プロデューサーのテッド・テンプルマン氏大フューチャーで

0-070417-09.jpg

えりゃあ褒め方。ローウェルさんとビーフハート船長の言が引用されてるぞ。ほんとに言ったのかな?なんて。
信じるも信じないも読む人次第です。どれが真実かなんて誰もわからん。ことは楽しむ音と書いて音楽。好きなように楽しめるように妄想でも幻想でも何でもエブリシングOKだよ。

「キャプテン&ミー」の時点ですから、これは73年までのバーバンク音の記事です。
その後は・・・・
ジェイムス・テイラーおじさんがワーナーにやって来た。ワロンカー班。

0-070417-18.jpg

そしてテッド班では・・・・
ヴァン・ヘイレン!!

0-070417-14.jpg

果たしてVHはバーバンク・サウンドなのでありましょうか?テッド・サウンドであることには間違い有りません。
最初からテッドさんは、切れのロック・サンドが身上だっただよ。

さらには日本にも東京バーバンクがあります。
ご存知、この方たち

0-070417-16.jpg

とか

この方

0-070417-17.jpg

とか。
バーバンク?知らんそんなんってえ、聴いてますがな。知らんうちに。

何てったって夢のような方針のレコード会社が実際にあったんですから。
夢に惹かれるのは当然だ。

話を聞いたとこによりますと、ワーナーてば親はほれ映画会社。その音に関することちゃんとやってれば、ロックなんてーどうせ売れないしよーって、余裕が有ったらしい。それにどうやれば売れるかなんてーのも誰もわかってなかった。それはどこでも似たようなもので。
ただ、会社の名前に相応しい恥ずかしくないものを作れってのはでっかくあって。

結局、ほうら、40年間、錆びる事無く残ってます。それは正しい。


さて
今回、感謝するに当たって、果たしてCDでこのバーバンク音楽を網羅してるボックスとかコンピとかあるのか捜索してみました。
当然ライノが作ってるもんだと思ったんだけど・・・どうも見当たらない。
英国ワーナーで出してる「From Burbank To The Bay Area」と申すもの発見。

0-070417-19.jpg

でも素敵だけど、いきなしこの世界かーってブツで。

はて?

地元では、紺屋の白袴状態なのか?それともものがものだけに、どでかいの製作中か。

かつてアナログでは
古い若い方はご存知かと思いますが、輸入盤の中袋にあったでしょ絵が。凄い数の販売促進用通販限定コンピLP。
これワーナー/リプリーズの得意技です。
もう欲しくて欲しくてねえ。ずっと探してます。
かれこれ40年間。2枚、うちにやって来ました。それもごく最近。
それがまた闇鍋みたいで。
お呼びで無い方には物凄くお呼びで無いとは思うけど、あっしにはえりゃあお呼びであるので、追って感謝をばさせていただきたくそうろう。

その時につづく・・・


(山)2007.4.17

ろっくす椰子の実通りのページ

でかいジャケットのページ


椰子の実動画

Harper's Bizarre - The 59th Bridge Street Song (Feelin' Groovy)
http://www.youtube.com/watch?v=DyIEQBtjLPI

0-070417-15.jpg

Little feat - Rock 'n' roll doctor
http://www.youtube.com/watch?v=2gtmSO1eA2w


0-070417-11.jpg

Randy Newman Political Science live whistle test
http://www.youtube.com/watch?v=1Vb0Mu0mhlw

0-070417-10.jpg

Sailing Shoes / David Sandborn, Stevie Ray Vaughn, Maria McKee and Van Dyke Parks
http://www.youtube.com/watch?v=gUe3JOj9gzQ

James Taylor & Carly Simon - Close Your Eyes
http://www.youtube.com/watch?v=s5eDHrDwf_0


0-070417-12.jpg


The English translation page : here.


posted by 山 at 09:32| Comment(2) | TrackBack(0) | バーバンク・サウンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

▲ページの先頭へ